チベット高原におけるCOPDの特徴
2021年 10月 05日
チベット高原という高地に住んでいるから、というよりもチベット自治区特有の医療事情のほうが影響している気がしますね。LAMAはあまり使用されないのでしょうか。とにかく広大な大地であり、病院通いもそうそうできないのかもしれませんね。
屋内のバイオマス燃料使用というのは、発展途上国のCOPDではよく報告されるリスク因子です。
Liang Y, et al. Clinical and Radiological Features of COPD Patients Living at ≥3000 m Above Sea Level in the Tibet Plateau. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis . 2021 Aug 26;16:2445-2454.
- 概要
■2018年1月から2021年3月まで、チベット自治区人民病院の呼吸器内科外来を訪れるCOPD患者を連続的に登録した観察研究を行った。患者は全員、40歳以上のチベット永住者で、GOLDガイドラインに基づいてCOPDと診断されていた。特性、居住地の高度、リスク因子、呼吸器症状、併存疾患、投薬などのデータと、胸部CTデータを収集した。
■COPD患者84人が解析対象として登録された。平均年齢は64.7±9.1歳だった。患者の8.3%は現喫煙者であり、44.0%は既喫煙者でだった。患者の88.1%が、屋内におけるバイオマス燃料への長期暴露を報告した。患者のほとんどが軽度~中等度のCOPD(GOLD I:27.4%、GOLD II:51.2%)に分類され、89.3%がCATスコア10点以上だった。過去1年間にCOPDの定期的な長期投薬を受けていた患者は36.9%にとどまり、その中ではICS/LABAと経口テオフィリンが最も多く使用されていた。胸部CT検査では、大多数の患者(70.7%)が肺気腫がないか最小限だった。45.1%の患者に結核の既往に合致する所見がみられた。
by otowelt
| 2021-10-05 00:35
| 気管支喘息・COPD