メタアナリシス:バーチャル気管支鏡の診断率
2021年 10月 25日
使用するバーチャル気管支鏡のソフトウェアによるかと思います。当院では主に2つ使用していますが、やはり簡便に経路が作成できるソフトのほうが使いやすいですね。
Giri M, et al. Virtual bronchoscopic navigation versus non-virtual bronchoscopic navigation assisted bronchoscopy for the diagnosis of peripheral pulmonary lesions: a systematic review and meta-analysis. Ther Adv Respir Dis . Jan-Dec 2021;15:17534666211017048.
■肺末梢病変の生検を補助する手段として、バーチャル気管支鏡ナビゲーション(VBN)などの画像ガイド付き気管支鏡技術が登場している。しかし、末梢性肺病変(PPL)の診断におけるVBNの役割は十分に確立されていない。このメタアナリシスでは、PPLに対するVBNと非VBN(NVBNA)気管支鏡の診断率を調査した。
■PubMed,Embase,Cochrane library,Web of Sciencesデータベースを2020年8月までに検索し,VBNパフォーマンスをNVBNA群と比較して評価した無作為化対照試験を同定した。
■6つのRCT、1626人の患者が対象となった。全体の診断率は、VBN群(74.17%)とNVBNA群(69.51%)で同等であり、リスク比は1.07(95%信頼区間0.98-1.17)だった。しかし、VBN群では、NVBNA群に比べて総検査時間が有意に短かった(平均差-3.94分,95%信頼区間-6.57~-1.36,p=0.003)。PPLが20mm以下の場合、VBNはNVBNAよりも優れた診断率を示した(リスク比1.18、95%信頼区間1.05-1.32)。さらに、病変の性質、肺葉内の病変位置、門脈からの距離、気管支所見、合併症などによる診断率は、VBN群とNVBNA群で同等だった。
図. 全体の診断率(文献より引用)

■VBNは、NVBNAと比較して、PPL患者の全体的な診断率を向上させなかった。NVBNAに対するVBNの優位性は、PPL20mm以下の患者において明らかであった。今後の多施設RCTでの検討が必要である。
by otowelt
| 2021-10-25 00:32
| 気管支鏡