アレルギー性気管支肺アスペルギルス症におけるプレドニゾロン+イトラコナゾール併用療法

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統計学的に有意ではないもののABPAに対して、プレドニゾロン・イトラコナゾール併用療法のほうが、プレドニゾロン単剤療法よりも1年後のABPA増悪が減少する傾向だったというAgarwal先生の論文です。個人的には気道検体から真菌が検出される、など肺アスペルギルス症としての治療を要するケースではrecommendで、それ以外は喘息と好酸球性炎症をどのようにおさえるかが重要だと思っています。

肺アスペルギルス症+ABPA(アレルゲン産生工場が肺内にある)という悲しい合併がたまにありますが、その場合は全例アゾール系抗真菌薬を導入しています。



  • 概要
■アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)患者において、全身性ステロイドとアゾール系抗真菌薬の併用療法が、全身性ステロイド単独療法よりも増悪抑制に優れているかどうかはまだ不明である。我々は、ABPAにおけるプレドニゾロン-イトラコナゾール併用療法とプレドニゾロン単剤療法の有効性と安全性を比較することを目的とした。

■喘息を合併した治療歴のない急性期ABPA患者を対象に、プレドニゾロン単独療法(4ヶ月)、プレドニゾロン+イトラコナゾールの併用療法(それぞれ4ヶ月・6ヶ月)のいずれかにランダムに割り付けた。主要評価項目は、治療開始から12ヶ月後の増悪率と24ヶ月以内の全身性ステロイド依存性ABPAとした。副次評価項目は、6週間後の奏効率と血清総IgE低下率、初回ABPA増悪までの期間、有害事象とした。

■191人の被験者を、プレドニゾロン単剤療法群(n=94)またはプレドニゾロン・イトラコナゾール併用療法群(n=97)のいずれかにランダムに割り付けた。1年後の増悪率は、プレドニゾロン群33%、プレドニゾロン・イトラコナゾール群20.6%だった(p=0.054)。また、ステロイド依存性ABPAに進行した被験者はいなかった。被験者全員が6週間後の副次評価項目に反応がみられ、血清総IgEも低下した(平均低下率、47.6% vs 45.5%)。初回ABPA増悪までの平均期間(417日)は両群間で差はなかった。有害事象のために治療変更を余儀なくされた被験者はいなかった。




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by otowelt | 2021-09-19 00:21 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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