SABINA III研究:SABAの過剰使用は喘息コントロール悪化や重症喘息と関連

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SABAがたくさん処方されている場合、ベースの喘息コントロールがうまくいっていないことを意味します。これはSABINA研究でも示されています。

■SABINAプログラムコホート:SABA過剰使用は喘息増悪リスクや死亡率上昇と関連(URL:https://pulmonary.exblog.jp/28807738/

喘息患者さんに対して私はお守りとしてSABAを処方しますが、できるだけ使わない状態にコントロールしているため、理解の良いベテラン患者さんにはSABAを処方しないことも多いです。

「発作時プレドニゾロンパッケージ」の処方は、保険診療上はNGな気もしますが、医療アクセスに制限がある場合は人道的見地から検討に値すると思います。たとえば、「プレドニン(5mg)1回5錠1日1回5日分(合計25錠)」を前もって処方しておき、発作時にそれを内服していただく、ただしできるだけ早期に受診をお願いするというものです(調剤薬局的にはキリよく20錠にするなら5錠分1×4日分のほうが妥当だろうか)。




  • 概要
■喘息患者における短時間作用性β2作動薬(SABA)処方とそれに関連する喘息関連の臨床アウトカムについてグローバルな視点を得るために、5大陸24ヶ国のデータを評価した。

■SABINA III研究は、過去12ヶ月間の喘息患者(12歳以上)の処方薬、市販SABA購入、臨床アウトカムを記録するために、受診時の電子報告書を用いた横断研究である。SABAを1回以上処方された患者について、多変量回帰モデルを用いて、SABA処方と喘息症状コントロール・重症増悪との関連を分析した。

■8351人の患者(専門施設:n=6872、プライマリケア:n=1440)のうち、76.5%が中等症~重症の喘息で、45.4%が過去12ヶ月間に1回以上の重症増悪を経験していた。患者の38%が3本以上のSABA pMDIを処方され、18.0%がOTCのSABAを購入した(そのうち76.8%がSABAの処方も受けていた)。SABAを3~5本、6~9本、10~12本、13本以上処方された場合、1~2本の場合と比較して喘息がコントロールされているあるいは部分的にコントロールされているオッズ比が低くなっていった(オッズ比[95%信頼区間]:0.64[0.53~0.78]、0.49[0.39~0.61]、0.42[0. 34-0.51]、0.33[0.25-0.45]、n=4597)。また、重症増悪の罹患率比は高くなっていった(罹患率比[95%信頼区間]:1.40[1.24-1.58]、1.52[1.33-1.74]、1.78[1.57-2.02]、1.92[1.61-2.29]、n=4612)。





by otowelt | 2021-10-13 00:29 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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