ランダム化比較試験:末梢肺病変に対するガイドシース併用vs非併用
2021年 10月 27日
GSのよいところはエコーで見えるところですが、きわめて診断が難しいであろう結節への到達を約束してくれる技術ではないため、「GSだから難しい陰影も当たる」という考えは避けたほうがよいと思います。精神的にもダメージはでかいです。デメリットは、やはり組織検体量の少なさでしょうか。これは回数で補えるとは思います。
adjacent toでTBBをやっても迅速細胞診でpositiveが出ないとき、ブラシのほうが診断率が高くなるというのは栗本先生の論文でも示されています。
Oki M, et al. Guide sheath versus non-guide sheath method for endobronchial ultrasound-guided biopsy of peripheral pulmonary lesions: A multicenter randomized trial. Eur Respir J. 2021 Oct 8;2101678.
■肺末梢病変に対するEBUS-TBBに対してガイドシース(GS)が広く使用されるようになった。しかし、GSが診断率を向上させるかどうかはまだ不明である。われわれは、EBUS-TBBにGSを使用した場合と使用しない場合で、肺末梢の小さな病変の診断率を比較した。
■8施設において直径30mm以上の末梢肺病変を有する患者を登録し,4.0mm径気管支鏡+仮想気管支鏡ナビゲーション+X線透視を用いて,EBUS-GS群と非GS群にランダムに割り付けて、診断率を比較した。
■605人の患者が登録され、最終的に596人(GS群300人、非GS群296人)の末梢性肺病変(最長径中央値19.6mm)のデータが解析された。GS群の組織標本の診断率は、非GS群に比べて有意に高かった(55.3% vs 46.6%、p=0.033)。また、診断率、手技、肺葉部位、結節性状の間に交互作用が確認された。
呼吸器内科医の間では話題になっていますが、栗本先生の新しい書籍が出ます。ちょっとお高めなのですが、コストに見合う書籍だと思います。
by otowelt
| 2021-10-27 00:04
| 気管支鏡