RFP・EB・CAM併用時のCAMおよび14-OH CAMの薬物動態


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NTM治療においてRFPとCAMを併用すると、アイソフォームのCYP3A4が誘導されCAMの血中濃度は低下しますが、活性代謝物である14-OH CAMはどうかという検討。RFPが相手のAUCを下げるかどうかは常に意識されるところですが、ボリコナゾールにいたってはAUCを90%以上減少させるため、併用禁忌となっています。CYP誘導作用はあらわれるまでにある程度時間がかかりますが、本研究の期間程度が妥当な水準であろうと思います。

「ボリコナゾール-リファンピシン問題」については、どっちがどっちの血中濃度をどうするのか覚えられない若手医師も多いと思うので、またこのブログでも取り上げたいと思います。



■肺Mycobacterium avium complex(MAC)感染症の治療にクラリスロマイシン(CAM)、エタンブトール(EB)、リファンピシン(RFP)の3剤併用療法がおこなわれているが、RFPのCYP3A活性誘導によってCAM血清濃度が低下することが知られている。本研究では、3剤併用療法を受けている患者におけるCAM、14ヒドロキシCAM(14-OH CAM)、EB、RFPの薬物動態を検討した。

■CAM単剤投与を開始し,その2週間後にEBを,さらにその2週間後にRFPを追加した。血清中のCAM,14-OH CAM,EB,RFPの濃度を投与前、14日目、28日目,42日目の投与後の2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後に測定し薬物動態パラメータを算出した。

■CAM単剤投与時と比較して、RFPとの併用によってCAMのAUC中央値は、0~12時間後に92.1%減少した(1.7、[IQR1.4~1.8] μg・h/mL vs. 21.5 [IQR17.7~32.3] μg・h/mL)。一方、14-OH CAMのAUCの中央値は、CAM単剤時とRFP併用時で有意差はなかった(8.2 [IQR6.3~9.3] μg・h/mL vs 9.1 [IQR7.9~10.9] μg・h/mL)。CAMと14-OH CAMのAUCは、CAM+EB併用時には変化しなかった。






by otowelt | 2021-11-12 00:56 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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