GOLD2-4のCOPDにおける喀痰中Stenotrophomonas maltophilia
2021年 12月 14日
「Stenotrophomonas maltophiliaの治療ってなんでしたっけ?」とよく聞かれますが、ST合剤が基本的にまず頭に浮かぶと思います。「Stenotrophomonasの、最初の二文字がSTだからST合剤はまず覚えておこう」と言うと、結構覚えてくれます。こんな覚え方でいいのか知りませんが。
これから、GOLD2-4の外来患者さんでは喀痰細菌検査を意識してみたいと思っています。緑膿菌はたまに検出されるのですが、マルトフィリアってこんなに陽性になるのかな・・・。
- 概要
■Stenotrophomonas maltophiliaは、グラム陰性多剤耐性菌である。COPD患者の場合、ほとんどが人工呼吸を必要とする重症増悪にみられるものであるが、外来患者の喀痰から同菌が検出された場合の意義は不明である。
■外来のCOPD患者の喀痰中にS. maltophiliaが存在する有病率とリスク因子を調べ、予後との関連性を明らかにすることを目的とした。
■2017年1月から2019年9月の間に、GOLD 2~4のCOPDを有する非選択的な連続外来患者を、三次医療病院から抽出した。S. maltophiliaの喀痰培養が陽性である患者を対象とした。背景、COPDの特徴、併存疾患、S. maltophiliaに関連する既知のリスク因子を収集した。
■393人のCOPD患者のうち、41人(10%)の喀痰からS. maltophiliaが検出された。併存疾患、増悪、前年の経口ステロイド使用、カルバペネム系抗菌薬の使用歴は、S. maltophilia陽性のリスク因子であった。年齢、Charlson comorbidity index、1秒量などの交絡因子を調整すると、S. maltophiliaは死亡率と有意に関連することが分かった(補正ハザード比2.3、95%信頼区間1.1~4.9)。
by otowelt
| 2021-12-14 00:09
| 気管支喘息・COPD