IPFの運動耐容能に対する高流量鼻カニュラ酸素療法

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在宅HFNCは個人的に期待したいところで、どうにか普及がすすめばと思っています。いろいろとハードルは高いですね。在宅で行う場合、医師だけではなく訪問看護師やヘルパーも含めて機器作動のチェックが必要になりますね。



Harada J, et al. Effect of high-flow nasal cannula oxygen therapy on exercise tolerance in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: A randomized crossover trial. Respirology. 2021 Nov 2. doi: 10.1111/resp.14176

■IPFでは、運動誘発性の低酸素血症によって運動能力が制限される。本研究では、IPF患者の運動耐容能に対する高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)の効果を検討することを目的とした。

■単施設・非盲検・ランダム化クロスオーバー試験を実施し、HFNCとベンチュリーマスク(VM)療法を運動耐容能の観点から比較した。患者は、HFNCまたはVMを用いて、得られた最大運動負荷量の80%で以下にランダム化された順序に従い症候限界性定常運動負荷試験を実施された。VM FiO2:0.5・HFNC 60L/min、FiO2:0.5をクロスオーバーで実施。2011/2018 ATS/ERS/JRS/ALATガイドライン・INPULSIS基準に従いIPFの診断が確定している患者を対象とし、6分間歩行試験時の酸素飽和度が90%未満で、安静時90%以上であることを条件とした。mMRC1-3の労作時呼吸困難がある患者を対象とした。主要評価項目は運動持続時間とした。副次的評価項目に、呼吸困難感 (修正Borg scale) 、下肢疲労感 (修正Borg scale)、運動時動脈血酸素飽和度、運動時心拍数、運動時血圧、デバイス快適性(VAS)を含めた。

■24人の被験者(男性75.0%、年齢中央値77.5歳[IQR68.8-83.0])が登録された。HFNCはVMと比較して、運動持続時間(647.5秒[IQR454.0-1014.8] vs 577.5秒[IQR338.0-861.5])、最小酸素飽和度(96.0%[IQR95.0-98.0] vs 94.0%[IQR92.8-96.0])、下肢疲労感(isotime:3.0 [1.6-4.0] vs. 5.0 [3.0-6.3]、endpoint:4.0 [2.8-5.0] vs. 5.0 [3.8-6.3])を有意に改善した。心拍数、血圧、デバイス快適性は有意ではなかった。






by otowelt | 2021-11-25 00:50 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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