間質性肺疾患患者における爪床毛細血管異常は膠原病の予測因子

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爪床毛細血管像(NFC)は皮膚筋炎や強皮症の手がかりとして有用とされており、とりわけ強皮症では間質性肺炎・肺機能低下・肺高血圧症を予測する臨床所見として知られています(J Rheumatol. 2004 Feb;31(2):286-94.、J Clin Rheumatol. 2021 Nov 3. doi: 10.1097/RHU.0000000000001798、Intern Med J. 2018 Nov;48(11):1355-1359.)。特殊な機器を使っている施設も多いと思いますが、総合診療科の先生にすすめてもらったレイメイ藤井のハンディ顕微鏡を使っています。竹之内先生と萩野先生の著書でも書かれており、萩野先生が誰かに伝えたことが私に回ってきたのだと思いました。

レイメイ藤井のものを使うと、上記の図のように大きくは見えないのですが、明らかな異常は結構ひっかけられるので、私のような門外漢がスクリーニング的に使うレベルならよいと思います。





Jee AS, et al. Nailfold capillaroscopy by smartphone-dermatoscope for connective tissue disease diagnosis in interstitial lung disease: a prospective observational study. ERJ Open Res. 2021 Nov 8;7(4):00416-2021.

■Nailfold capillaroscopy(爪床毛細血管像:NFC)は、強皮症の診断に有効な非侵襲的ツールである。しかし、間質性肺疾患(ILD)患者において、結合組織病に伴うILD(CTD-ILD)の診断のためのNFCの役割と解釈については、まだ明らかになっていない。

■この研究では、CTD-ILD(27人)および非CTD-ILD(69人;特発性間質性肺炎42人、IPAF27人)の患者96人を対象に、スマートフォンを用いたNFCによる定量的および定性的なNFC検査を、ILD会合にて実施した。

■NFCスコアリングは、2人の独立したリウマチ専門医によって盲検下で行われた。包括的な臨床、血液検査、生理学データ、放射線学的データが含まれた。ILDにおけるCTD診断の多変量モデルは、ROC分析によって決定された経験的しきい値でのNFC特徴と臨床的な変数から検討された。

■NFCデータが得られた94人の患者(合計687画像、中央値で1人あたり8指のNFCデータ)では、低毛細血管密度(<6毛細血管ループ/mm)、巨大毛細血管増加(≧3)、無血管野(2≧以上)、微小出血のいずれもが臨床的共変量とは独立して、CTD-ILDと非CTD-ILDの鑑別能を有していた(オッズ比5.00-7.47)。多変量解析では、低毛細血管密度と微小出血が、血液検査と放射線学データに加えて、ILDにおけるCTDの独立予測因子だった。NFC微小出血は、臨床症状とは独立したCTDの強力な予測因子だった(調整後オッズ比13.45、p=0.006)。事前に設定した定性的NFC分類では、全項目でCTD-ILDのオッズ比を上昇させた(範囲3.27-8.47)。






by otowelt | 2021-12-04 00:40 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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