非結核性抗酸菌症における「watchful waiting」戦略と培養陰性化・死亡の関連
2021年 11月 23日
悪即斬ではなく、watchful waitingでよいですよ、ということが書かれています。培養陰性化を達成することが治療の大きな目標であるため、そこを目指しましょうという確認もできる、必読論文。
- 概要
■肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)の診断後、いつ治療を開始すべきか、あるいは培養陰性化の達成がNTM-PDのアウトカムにどのように影響するかについては、限られたデータしかない。
■診断から抗菌薬開始までの期間(待機期間)が、NTM-PDの培養陰性化や全死亡率に影響するか、培養陰性化の達成と全死亡率の低下の間には関連があるかを調べた。
■1997年7月から2013年12月の間にNTM-PDと診断された後、6ヶ月以上抗菌薬の投与を受けた患者712人を評価した。診断から治療開始までの待機期間と、6ヶ月までの培養陰性化や死亡などのアウトカムデータを収集した。アウトカムに関連する因子は、BACES(body mass index, age, cavity, erythrocyte sedimentation rate and sex)システムを用いて疾患重症度を調整した上で分析した。
■調査対象者の38%が軽症、48%が中等症、14%が重症だった。全患者の抗菌薬が使用されていない待機期間の中央値は4.8ヶ月(IQR1.3-20.8)だった。治療開始後、479人(67%)の患者が6ヶ月以内に培養陰性化を達成したが、135名(19%)の患者が死亡した。BACES重症度を調整した単変量および多変量モデルでは、待機期間と、6ヶ月間の培養陰性化・死亡との関連は観察されなかった。しかし、6ヶ月間の培養陰性化は死亡と有意な負の相関を示した(粗ハザード比0.46、95%信頼区間0.33~0.65、調整後ハザード比0.51、95%信頼区間0.35~0.74)。12ヶ月以上の治療を受けたサブグループでは、12ヶ月間の培養陰性化も、死亡リスクの低下と関連していた(調整後ハザード比0.51、95%信頼区間0.33-0.78)。
■NTM-PDに対して「watchful waiting」戦略に従いつつ抗菌薬を開始することは妥当かもしれないが、生存率の向上を考えると、培養陰性化の達成は、治療を要する患者にとって重要な目標であることは間違いない。
by otowelt
| 2021-11-23 00:37
| 抗酸菌感染症










