遅発育菌に対するオキサゾリジノン系抗菌薬の抗菌活性

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第2世代オキサゾリジノンであるsutezolid、delpazolid、TBI-223は耐性結核に対する効果が期待されています。sutezolid(PNU-100480)は、リネゾリドと同時期に発見されましたが、臨床開発は積極的に行われませんでした。

マウスモデルでは、sutezolid単独、ファーストラインおよびHRを含まないレジメンで、リネゾリドよりも強力な抗菌活性を示し、治療期間の短縮に大きく貢献する可能性が示唆されています(Antimicrob Agents Chemother. 2009;53(4):1314–1319.、Antimicrob Agents Chemother. 2016;60(1):270–277.、Antimicrob Agents Chemother. 2011;55(2):567–574.、PLoS ONE. 2014;9(4):e94462.)。delpazolidとTBI-223は、linezolidより半減期が短い新規オキサゾリジノンで、リネゾリドや他のオキサゾリジノンのトラフ濃度に伴うミトコンドリア毒性を軽減できる可能性があります(J Antimicrob Chemother, 2018. 73(1): 183–190.)。

sutezolidとdelpazolidはともに治療期間の短縮を目的とした結核患者さんを対象とした第2b相レジメン試験に入っており、開発に成功すれば多剤耐性結核にも使用されるかもしれませんね。


Yu X, et al. In vitro Antimicrobial Activity Comparison of Linezolid, Tedizolid, Sutezolid and Delpazolid Against Slowly Growing Mycobacteria Isolated in Beijing, China. Infect Drug Resist . 2021 Nov 9;14:4689-4697.

  • 概要
■いくつかの新規オキサゾリジノン系化合物の遅発育菌(SGM)に対する抗菌活性はこれまで十分に評価されていなかった。

■基準菌20株および臨床分離株157株を対象に、4種類のオキサゾリジノン系抗菌薬(delpazolid、sutezolid、tedizolid、linezolid)に対するin vitro感受性を評価した。23srRNA、rplC、rplDの変異についても検討した。

M. intracellulareの臨床分離株に対して、sutezolidは他のオキサゾリジノン系抗菌薬に比べて最も強い抗菌力を示し、MIC50は2 μg/mL,MIC90は4 μg/mLであった。M. intracellulareおよびM. aviumに対するsutezolidのMICは、linezolidのMICに比べて4~8倍低かった。M. kansasiiは4種類のオキサゾリジノン系抗菌剤のすべてに感受性を示した。多重配列解析の結果、M. intracellulareでは23srRNAの新規変異(A2267CおよびA2266G)が、M. aviumではrplDの変異(Thr147Ala)が同定され、これらがリネゾリドに対する耐性獲得に関与している可能性が示唆された。







by otowelt | 2021-12-07 00:16 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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