フランスにおける肺非結核性抗酸菌症の管理

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専門医レベルでは、各種指針で適切な治療法が示されていますが、開業医レベルだとなかなか遵守が難しいことが指摘されています。菌種同定にいたるまでの診断期、治療にいたるまでの治療期、その評価をおこなう評価期にそれぞれハードルが存在します。

日本ではM. xenopiは少ないです。アフリカツメガエルのXenopus laevisの皮膚の傷から分離されたことからM. xenopiと命名されたそうです。


Bemer P, et al. Management of patients with pulmonary mycobacteriosis in France: a multicenter retrospective cohort study. BMC Pulm Med . 2021 Oct 26;21(1):333.

  • 概要
■最近の研究では、肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)の治療に関するATS/IDSAの推奨に対する開業医のアドヒアランスが非常に低く、診療内容に大きなばらつきがあることが報告されている。どのような治療を行うかは予後に影響する可能性がある。

■推奨に従ったNTM-PD患者の管理と予後を評価するために、6年間にわたって多施設共同の後ろ向きコホート研究を行った。臨床的、放射線学的、微生物学的特徴、管理、患者の転帰(特に死亡の有無)を収集した。

■477人のNTM-PD患者を対象とした。呼吸器系の併存疾患は68%、結核後遺症は31.4%、免疫抑制は16.8%の症例に認められた。多かったNTMは、Mycobacterium avium complex(60%)、M. xenopi(20%)、M. kansasii(5.7%)だった。MACの56.2%が女性で、M. xenopiの60.9%、M. kansasiiの70.4%が男性だった。塗抹陽性はNTM-PDの3分の1にみられた。結節気管支拡張型が54.3%、空洞型が19.1%にみられた。治療を受けた患者は63%で、塗抹陽性の患者では72.4%、塗抹陰性の患者では57.5%だった。治療がATS/IDSA推奨に沿って適切に行われたのは73.5%だった。2年後の死亡率は14.4%であった。治療(ハザード比0.51)、年齢(ハザード比1.02)、M. abscessus(ハザード比3.19)が独立予後予測因子として同定された。






by otowelt | 2021-12-29 00:42 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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