気管支動脈造影を受けた患者における気管支動脈瘤の有病率

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BAEのメッカの1つ、岸和田リハビリテーション病院からの報告です。未破裂BAAよりも破裂BAAの径が小さかった理由は、出血の過程をシークエンスでみていたためかもしれません。瘤の大きさと破裂との間に相関関係を調べることは難しいようですね。

全体における有病率ではなく、ある程度選択バイアスが入った集団における数値であると論文中に記載されています。とはいえ、BAAそのものが100例あまりしか報告がないことから、これは驚くほど貴重な論文です。




■気管支動脈塞栓術(BAE)に際して同定された気管支動脈瘤(BAA)の有病率、臨床的特徴、長期予後を調査することを目的とした。

■岸和田リハビリテーション病院において、2013年8月から2019年12月に気管支動脈造影を行った連続患者の診療録を後ろ向きにレビューした。この期間中にBAAと診断された患者を本研究の対象とした。BAAは、「動脈の正常径と比較して、少なくとも50%の径増加を伴う局所的拡張」と定義された。

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(文献より引用)

■調査期間中に気管支動脈造影を行った508人における1142本の気管支動脈造影によれば、508人のうち20人(3.9%)に計26本のBAAが認められた。BAA患者の年齢中央値は69歳(IQR63.5~76.7)であった。BAAの疫学は以下の通りであった、特発性(5.3%)、気管支拡張症(3.9%)、肺アスペルギルス症(5.0%)、非結核性抗酸菌症(2.6%)。破裂BAAの直径中央値は、未破裂BAAに比べて有意に小さかった(5.4 mm[IQR4.8~7.3 mm] vs 9.0 mm[IQR7.2~13.9 mm]、P=0.009)。全患者がBAEによる治療が成功し、主要な有害事象は発生しなかった。

■BAE後の追跡期間の中央値は970日(IQR561~1,796日)だった。BAA関連の生存率はBAE施行後2年および3年で100%で、全生存率は2年で89.2%(95%信頼区間89.0~89.3)、3年で74.3%(95%信頼区間74.0~74.5)だった。







by otowelt | 2021-12-18 00:38 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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