COVID-19:高用量デキサメタゾンと低用量デキサメタゾンの比較
2021年 12月 23日
あまり高用量のステロイドを用いずに・・・というのが国内でCOVID-19を診療している医師のバランス感でもありましたが、ERJから真逆の高用量デキサメタゾンを推奨する研究結果が出ました。デキサメタゾン20mg/dayなので、プレドニゾロン換算で120mg/dayあたりということになります。
- 概要
■COVID-19において、酸素療法を要する患者には低用量低用量デキサメタゾンが臨床的改善をもたらすが、高用量デキサメタゾンの有効性に関するエビデンスは限られている。
■酸素療法を要するCOVID-19で肺炎が確認された入院患者を対象に、ランダム化オープンラベル対照試験を実施した。患者を低用量デキサメタゾン(6mg 1日1回10日間)または高用量デキサメタゾン(20mg 1日1回5日間、その後10mg 1日1回5日間)に1:1の割合でランダムに割り付けた。主要評価項目は、ランダム化後11日以内の臨床的増悪とした。副次的評価項目は、28日目の死亡率、回復までの時間、5、11、14、28日目の臨床状態(1:退院~7:死亡のスケール)で評価した。
■200人の患者(平均年齢64±14歳、62%が男性)が登録された。低用量デキサメタゾン群では102人中32人(31.4%)、高用量デキサメタゾン群では98人中16人(16.3%)がランダム化11日以内の臨床症状の悪化が確認された(率比0.427;95%信頼区間0.216-0.842;p=0.014)。28日死亡率は、低用量群5.9%、高用量群6.1%(p=0.844)でだった。回復までの時間、5、11、14、28日目の臨床状態スケールに有意差はなかった。
■酸素吸入を要するCOVID-19入院患者において、高用量デキサメタゾンは低用量デキサメタゾンと比較して、ランダム化11日以内の臨床的悪化を抑制した。
by otowelt
| 2021-12-23 00:05
| 感染症全般