BAT研究事後解析:アジスロマイシン長期投与後の気管支拡張所見

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気管支拡張症診療では有名なBAT研究(JAMA. 2013 Mar 27;309(12):1251-9.)の解析です。非嚢胞性線維症の気管支拡張症の成人患者に対するアジスロマイシン12か月の投与はプラセボに比べ感染増悪率が良好だということが示されています。当然ながら、薬剤耐性に対する懸念があるわけで、諸手を挙げてマクロライドが推奨されているわけではないのですが・・・。

同時期のBLESS研究では(JAMA. 2013 Mar 27;309(12):1260-7.)、長期低用量エリスロマイシンの有効性をプラセボと比較したところ、増悪回数は介入群で有意に減少したものの、マクロライド耐性レンサ球菌の出現率が増加しています。その後の事後解析で、緑膿菌のリスクも増えています(Lancet Respir Med . 2014 Dec;2(12):988-96.)。

マクロライドを導入すると、気道分泌物が明らかに減る一群がいますので、そういう患者さんでは本研究において胸部画像所見の改善がみられると思います。


Terpstra LC, et al. The effect of maintenance azithromycin on radiological features in patients with bronchiectasis - Analysis from the BAT randomized controlled trial. Respir Med . 2021 Dec 28;192:106718.

  • 概要
■気管支拡張症は胸部HRCTで診断され、放射線学的な重症度は臨床アウトカムと対応することが分かっている。マクロライド系の維持療法は、増悪頻度が高い気管支拡張症患者に対して有効であることが、ランダム化比較試験BAT研究で確立されている。本研究は、気管支拡張症患者におけるアジスロマイシン(AZM)の長期投与が及ぼす影響を前向きに評価するために実施された。

■2008年~2010年に実施されたBAT研究データから、増悪が頻発する気管支拡張症におけるAZM(250 mg 1日1回)の1年間の効果を検討した。ベースラインと治療1年後の胸部HRCTデータを入手し、2人の放射線科医がスコアリングした。

■BAT試験の77人(93%)がこの事後解析で評価された。AZM治療1年後、Brodyスコアに基づく放射線学的特徴の有意な改善がプラセボと比較して観察されたものの(p=0.024)、Bhallaスコアの改善は有意でなかった(p=0.071)。特に、コンソリデーション(Bhalla)および肺実質の変化(Brody)のサブスコアが有意に改善した(いずれもp=0.030)





by otowelt | 2022-02-10 00:47 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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