国ごとに慢性咳嗽の疫学データが出てくると、チェックしています。リフヌア®は新薬になりますが、慢性咳嗽という慢性疾患でありながら当初14日ごとの処方になる点はデメリットであり、基本的には長期処方ができるようになってから活躍するものと期待されます。
Abozid H, et al. Distribution of chronic cough phenotypes in the general population: A cross-sectional analysis of the LEAD cohort in Austria. Respir Med . 2021 Dec 30;192:106726.
- 概要
■近年のガイドラインでは、慢性咳嗽は異なるフェノタイプを持つユニークな臨床的概念と考えられている。一般集団におけるこれらのフェノタイプを調査し、オーストリア人の一般集団におけるこれらフェノタイプの有病率、分布、特徴を記述することを目的とした。
■縦断的集団ベースコホート研究(LEAD研究)において10057人の成人の質問票とスパイロメトリーデータを分析した。慢性咳嗽は、過去12ヶ月間にほぼ毎日、少なくとも3ヶ月間(12週間)以上咳をしていることと定義された。
■慢性咳嗽の有病率は9%で、年齢とともに増加していることが示された。性差はなかったが、非喫煙者では女性優位(68%)だった。85%で推定原因が特定され、半数以上(53.9%)が2つのフェノタイプを持ち、36.9%が1つのみ、9.2%が3つ以上のフェノタイプを有していた。フェノタイプの分布については、40.8%が現喫煙者、32.6%がACE阻害剤投与、18.2%がGERD、17.6%が咳喘息、9.7%が上気道咳症候群、28.3%がその他の慢性咳嗽だった。15%は原因不明だった。現喫煙、社会経済的地位の低さ、肥満、COPD、閉塞性睡眠時無呼吸は慢性咳嗽の関連因子だった。