気管支拡張症患者におけるS. maltophiliaの臨床的影響


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最近Stenotrophomonas maltophiliaの論文が続いているので、なんか流行っているのかなと思ってきました。

メタロ-β-ラクタマーゼを産生するため、基本的にはβ-ラクタム系抗菌薬は効きません。ST合剤を用いることが多いですが、「菌名の最初が『St』なので『ST合剤』と覚えるといいよ」と若手医師に伝えています。

あまり外来で喀痰細菌検査をおこなわないかもしれませんが、慢性呼吸器疾患の患者さんが多数通院している呼吸器内科では、たまにギョっとする菌が検出されることがあります。


Metersky ML, et al. Stenotrophomonas maltophilia in patients with bronchiectasis: An analysis of the US bronchiectasis and NTM Research Registry. Respir Med . 2022 Jan 24;193:106746.

  • 概要
■気管支拡張症患者におけるStenotrophomonas maltophiliaに関する情報はほとんどない。アメリカ気管支拡張症・NTM研究レジストリのデータを解析し、有病率、臨床的特徴、重症度の関連性を明らかにした。

■ベースラインと追跡データは、ウェブベースの中央データベースに入力された。患者は、ベースライン培養に基づいて4つのコホートにグループ分けされた。①S. maltophiliaあり、緑膿菌なし、②緑膿菌あり、S. maltophiliaなし、③病原微生物検出なし、④緑膿菌・S. maltophilia以外の病原微生物あり。S. maltophiliaと背景、肺機能、増悪、入院との関連を、ベースライン時と1年後追跡時に評価した。

■2659人の患者のうち、134人(5.0%)がベースライン時にS. maltophiliaを有していた。ベースライン時の増悪率は、S. maltophiliaと緑膿菌で同程度だったが、他の2群に比べ有意に高かった。入院は、S. maltophiliaまたは緑膿菌を有する患者で多かった。

S. maltophilia患者の気管支拡張前1秒量は、緑膿菌患者と菌を有さない患者の中間に位置していたが、他のどの群とも有意差はなかった。全リスク調整後の1年時点のアウトカムにおいて、S. maltophilia患者は、緑膿菌がない患者と比較して有意ではないが、緑膿菌患者と類似したアウトカムを示した。






by otowelt | 2022-02-21 00:31 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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