肺嚢胞の鑑別疾患として覚えておかないといけないのがBirt-Hogg-Dubé症候群ですが、滅多に出合うことはありません。私も同僚が受け持った症例を1人診たことがあるくらいです。
Yang J, et al. Correlative analysis of lung CT findings in patients with Birt-Hogg-Dubé Syndrome and the occurrence of spontaneous pneumothorax: a preliminary study. BMC Med Imaging . 2022 Feb 7;22(1):22.
- 概要
■Birt-Hogg-Dubé (BHD)症候群の患者の診断は遅れがちである。この疾患の理解と診断を向上させることは、臨床医と放射線科医にとって極めて重要である。本研究では、BHD症候群の胸部CT所見を示し、自然気胸を合併したBHD症例に関して記述することである。
■11家族26人のBHD患者(男性10名,女性16名,平均年齢46±12歳,20~68歳)を対象とした。臨床的特徴は、気胸、腎臓病変、皮膚病変などである。23人の患者に胸部CT撮影を行った。胸部CT画像の再構成から得られた各患者の嚢胞の状態(嚢胞数、大きさ、体積、パターン、分布など)を記録した。
■全体で、気胸は54%(14/26)の症例に発生した。そのうち43%(6/14)が2回以上の気胸を有していた。しかし、典型的な皮膚病変や腎臓病変は観察されなかった。4人に腎臓過誤腫がみられた。CTでは23人(100%)に肺嚢胞が観察された。肺嚢胞は両側性で多発性、円形、不規則などさまざまだった。長軸20mm以上の嚢胞の93.6%は胸膜下にあり、縦隔や脊椎に近接していた。最大嚢胞の長軸径、短軸径、体積は気胸の発生と関連していた(すべてP<0.05)。