COVID-19:縦隔気腫合併例の死亡率は約5割
2022年 03月 03日
縦隔気腫と気胸を合併したCOVID-19の症例報告を当初投稿したものの、リジェクトとなった苦い記憶があります。みんな同じような症例報告を投稿していましたからね・・・。
重症例においては、肺が脆弱になっていることから、他疾患同様、呼吸器設定によっては縦隔気腫を起こすリスクは高いとされています(Interact Cardiovasc Thorac Surg . 2022 Jan 18;34(2):236-244.)。
ただ、人工呼吸器が開始される前から縦隔気腫に陥っている症例はちらほらあって、ほとんどが重症例になることから、予後不良因子であることは明白です。
- 概要
■COVID-19が縦隔気腫の発生率上昇と関連していることが分かってきている。われわれは、イギリスにおいてCOVID-19で入院した患者における発生率を明らかにし、アウトカムに関連する因子を記述した。
■2020年9月から2021年2月まで、縦隔気腫とその発生率に関する調査をおこなった。ネットワークを通じてイギリス全体の参加を募った。登録患者は、SARS-CoV-2感染と放射線学的に証明された縦隔気腫があることを条件とした。主要アウトカムは、COVID-19における縦隔気腫の発生率を明らかにすることと、患者の死亡率に関連するリスク因子を調査することである。
■53病院のCOVID-19入院患者58484人のうち377人のCOVID-19の縦隔気腫が確認され、発生率は0.64%だった。COVID-19による縦隔気腫の120日死亡率は195人/377人(51.7%)だった。COVID-19における縦隔気腫は、高い人工呼吸率と関連していた。172人/377人(45.6%)は診断時点ですでに機械的人工呼吸を行っていた。COVID-19の縦隔気腫において、死亡の予測因子として、高齢(p<0.01)、糖尿病(p=0.08)と並んで機械換気が最も重要な因子だった(p<0.001)。縦隔気腫診断後に持続陽圧から酸素・高流量鼻カニュラ酸素療法に切り替えても、死亡率に差はなかった。
by otowelt
| 2022-03-03 00:06
| 感染症全般