PF-ILDに対する喫煙量のリスク
2022年 03月 05日
当然といえば当然ですが、膠原病のPF-ILDにおいても喫煙歴は予後不良の独立リスク因子と報告されています(Respir Med . 2021 Oct;187:106579.)。
Platenburg M, et al. The detrimental effect of quantity of smoking on survival in progressive fibrosing ILD. Respir Med . 2022 Feb 5;194:106760.
- 概要
■進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)患者は、他のILDのフェノタイプと比較して早期に死亡する傾向がある。喫煙が生存率に及ぼす影響については、まだ検討されていない。さらに、PF-ILDにおける喫煙量の影響も不明である。本研究では、PF-ILD患者において喫煙の量が生存率の悪化と関連するかどうかを検討した。
■INBUILD試験のPF-ILDの判定基準を満たした患者をこの後ろ向きコホート研究に組み入れた。pack-year(py)を予後変数として、多変量Cox比例ハザードモデルで検証した。また、ヘビースモーカー(≧20 pys)と軽度・中等度スモーカー(0.1-19.9 pys)の間で無移植生存期間中央値を比較した。
■PF-ILD(377人)において、pyの未調整および調整後のハザード比は有意に上昇した(それぞれ1.014、95%信頼区間1.006-1.022、P<0.001;1.011、95%信頼区間1.002-1.021、P=0.022)。これは、10、20、40pysの喫煙歴によって、死亡リスクがそれぞれ11%、22%、44%高くなることを意味している。ヘビースモーカーの無移植生存期間中央値は3.0年で、軽度・中等度喫煙者と比較して有意に短縮した(差3.8年、P = 0.035)。さらに、肺気腫の患者では、ヘビースモーカー(68人)が、非喫煙者(5人、P < 0.001)または軽度-中等度喫煙者(21人、P < 0.001)よりも多かった。
by otowelt
| 2022-03-05 00:29
| びまん性肺疾患