閉塞性睡眠時無呼吸に対するスルチアムはAHIを20減少


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OSAに対するオスポロットの研究です。AHIを20低下させるというのはなかなかの効果だと思います。スルチアムは炭酸脱水酵素阻害作用を持ち(医学のあゆみ.1962;40(3):121)、過剰興奮を抑制するはたらきがあります。

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図. スルチアム




Hedner J, et al. A Randomized Controlled Trial Exploring Safety and Tolerability of Sulthiame in Sleep Apnea. Am J Respir Crit Care Med . 2022 Feb 24. doi: 10.1164/rccm.202109-2043OC.

  • 概要
■閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療法は、アドヒアランスや忍容性が不十分であり、適用に制限がある。OSAの効果的な薬剤治療が望まれている。その中で、炭酸脱水酵素の阻害は、OSAを改善することが示されている。この研究では、OSAにおけるスルチアム(STM)の安全性と忍容性を検討した。

■CPAP治療に忍容性がない中等症/重症のOSA患者を対象に、4週間のランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験をおこなった。

■400 mg STM (34人), 200 mg STM (12人) , プラセボ (22人)の投与を受けた患者の 79%、67%、18%からそれぞれ間欠的な異常感覚が報告された。STM高用量群では、6人の患者が有害事象のために投与を中止した。その他、重篤な有害事象はなかった。STMはAHIを400mg投与群で55.3→33.1/時間(41.0%)に、200mg投与群で61.2→40.7/時間(32.1%)に減少させた(それぞれp<0.001)。AHIが50%以上低下した割合は400 mg投与群で40%,200 mg投与群で25%,プラセボ投与群で5%だった。平均夜間酸素飽和度にも改善がみられた。






by otowelt | 2022-03-26 00:07 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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