多剤耐性結核に対するベダキリン+デラマニドの安全性と治療成績
2022年 03月 30日
多剤耐性結核に対するベダキリン+デラマニドの実地データについて、CIDから報告されました。
多剤耐性結核では、HR耐性の場合、LVFX、BDQ → LZD → EB、PZA、DLM、CFZ、CS → SM、KM、EVM、TH、AMK、PAS、IPM/CS、MEPMの優先順位にしたがって5剤選択します。
- 概要
■多剤耐性/リファンピシン耐性結核(MDR/RR-TB)に対するベダキリン(Bdq)とデラマニド(Dlm)の併用療法は、リスク-ベネフィット比が低い可能性が懸念されている。当該併用療法は、複雑な薬剤耐性プロファイルを有する結核菌株に感染した患者や、他の治療法に忍容性がない患者にとって重要な代替療法である。われわれは、BdqとDlmを併用し、他の二次抗結核薬も併用されているMDR/RR-TB患者の安全性および治療成績を評価した。
■Bdq-Dlm併用療法を受けている患者を対象に、14か国で多施設共同前向き観察コホート研究を実施した。患者は2015年4月から2018年9月の間に募集され、治療終了まで追跡された。治療変更に至ったあるいは臨床医が重大と判断したすべての重篤な有害事象およびAESIをモニタリングし記録した。
■472人の患者がBdqとDlmを併用投与された。また、大多数がリネゾリド(89.6%)とクロファジミン(84.5%)を投与されていた。ほぼ全員(90.3%)が広範な病変を有し、ほとんど(74.2%)がフルオロキノロン系抗菌薬に耐性を有していた。多かったAESIは、末梢神経障害(134例、28.4%)、電解質低下(94例、19.9%)であった。急性腎障害および骨髄抑制はそれぞれ40例(8.5%)、24例(5.1%)にみられた。QT延長は7例(1.5%)に観察された。全体の78.0%(358/458例)が治療成功、8.9%が死亡、7.2%が治療失敗となった。
by otowelt
| 2022-03-30 00:42
| 抗酸菌感染症