HIV陽性者におけるIGRAの診断精度はQFTのほうがよい?
2022年 03月 22日
HIV陽性者に対するIGRAは、T-SPOTのほうがQFTよりよいのではという見解がありました(表)(BMC Infect Dis . 2016 Jul 22;16:350.)。CD4陽性T細胞数減少の影響を受けにくいT-SPOTのほうがQFTよりも感度・特異度が優れているのでは・・・ということです。
それが覆るメタアナリシスが帝京大学から示されています。PLWHIVという記載ですが、便宜的にHIV陽性者と記載させていただきます。
- 概要
■免疫抑制患者におけるIGRAの診断精度は不明である。
■HIV陽性者におけるIGRAの診断精度についてシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。感度および特異度の要約推定値は、単変量モデルおよび二変量モデルを用いて算出された。
■メタアナリシスには、1,242件の論文のうち45件が含まれた。HIV陽性者総数は6,525人で、3,467人が結核を有し、そのうち806人がLTBI、2,661人が活動性結核だった。結核診断におけるIGRAの診断オッズ比は10.0(95%信頼区間5.59-25.07)、AUCは0.729でだった。オッズ比は、T-SPOT(10.0、95%信頼区間3.866-26.033)よりもQFT(14.2、95%信頼区間4.359-46.463)のほうが良好だった。二変量モデルにおけるIGRAの感度・特異度は、QFTで66.3%(95%信頼区間47.1-81.3%)、86.7%(95%信頼区間68.3-94.2%)、T-SPOTで60.4%(95%信頼区間48.1-71.5%)、86.2%(95%信頼区間65.4-95.4%)だった。LTBIの診断におけるIGRAの感度は64.0%(95%信頼区間61.0-66.0)だった。
by otowelt
| 2022-03-22 00:38
| 抗酸菌感染症