COUGH-1,2試験:難治性慢性咳嗽に対するゲーファピキサント

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難治性慢性咳嗽治療薬ゲーファピキサント(リフヌア®)が発売されますが、よく引用されるMorice先生の論文(Eur Respir J. 2019 Jul 4;54(1):1900439.)以外にLancetからCOUGH-1,2試験の報告です。味覚障害の懸念もあり、個人的にはシボピキサントあたりの登場に期待しているのですが・・・。

■参考記事:

薬価はまだ決まっていないようですが、今までリリカ®を使っていたフェーズで活用することになりそうです。いずれにしても、メジコン®といい、コデイン®といい、なかなか効く咳止めというのは世の中になく、臨床医と患者さんの双方のストレスを緩和してくれる薬剤になるのかどうか。

ところで、「ピキサント」ってP2X3 antagonistを縮めた言い方なんですかね。「PXant」。


McGarvey LP, et al. Efficacy and safety of gefapixant, a P2X 3 receptor antagonist, in refractory chronic cough and unexplained chronic cough (COUGH-1 and COUGH-2): results from two double-blind, randomised, parallel-group, placebo-controlled, phase 3 trials. Lancet . 2022 Mar 5;399(10328):909-923.

■ゲーファピキサントは経口P2X3受容体拮抗薬であり、これまでに難治性慢性咳嗽および原因不明の慢性咳嗽に対する有効性および安全性が確認されている。難治性慢性咳嗽および原因不明の慢性咳嗽を有する患者を対象に、ゲーファピキサントの有効性および安全性を確認することを目的とする。

■COUGH-1試験・COUGH-2試験は、いずれも二重盲検無作為化並行群間プラセボ対照第3相試験である。COUGH-1は17か国156施設で、COUGH-2は20か国175施設で行われた。難治性の慢性咳嗽または期間1年以上の原因不明の慢性咳嗽と診断された18歳以上の被験者を登録した。参加者はスクリーニングとベースライン時に咳嗽重症度VASスコアが40mm以上であることが条件とされた。対象者は、プラセボ、ゲーファピキサント15 mg 1日2回、ゲーファピキサント45 mg 1日2回の3つの治療群のいずれかにランダムに割り付けられた(1:1:1)。全薬経口投与された。COUGH-1試験では12週間、COUGH-2試験では24週間の試験期間、その後延長期間を経て、両試験とも最大52週間の治療が行われた。主要評価項目は、COUGH-1試験では12週間、COUGH-2試験では24週間における24時間咳嗽頻度の平均変化量とした。

■2018年3月14日(最初の参加者のスクリーニング)から2019年7月26日(最後の参加者のスクリーニング)までに、COUGH-1試験では732人、COUGH-2試験では1317人の患者が募集された。COUGH-1試験は730人(プラセボ243人、ゲーファピキサント15mg1日2回投与244人、ゲーファピキサント45mg1日2回投与243人)をランダムに割り付け、COUGH-2試験は1314人(プラセボ435人、ゲーファピキサント15mg1日2回投与440人、ゲーファピキサント45mg1日2回投与439人)をランダムに割り付けた。参加者の多くは女性であった(COUGH-1試験では730人中542人、COUGH-2試験では1314人中984人)。平均年齢はCOUGH-1試験で59.0±12.6歳、COUGH-2試験で58.1±12.1歳、平均咳嗽期間はCOUGH-1試験で11.6±9.5年、COUGH-2試験で11.2±9.8年だった。

■ゲーファピキサント45 mg 1日2回投与は、プラセボと比較して、COUGH-1試験では12週目に18.5%(95% CI 32.9-0.9)(p=0.041),COUGH-2試験では24週目に14.6%(26.1-1.4)(p=0.031)で24時間咳嗽回数の減少を示した。同15 mg 1日2回投与は、両試験においてプラセボに対する咳嗽頻度の有意な減少を示さなかった。

■主な有害事象は味覚障害に関連するものであった。無味覚(COUGH-1試験730人中36人[4.9%]、COUGH-2試験1314人中86人[6.5%])、味覚減退(COUGH-1試験118人[16.2%]、COUGH-2試験277人[21.1%])。味覚過敏(COUGH-1試験3人[0.4%]、COUGH-2試験6人[0.5%])、味覚鈍麻(COUGH-1試験19人[2.6%]、COUGH-2試験80人[6.1%])、味覚障害(COUGH-1試験28[3.8%]、COUGH-2試験46人[3.5%])だった。





by otowelt | 2022-03-09 00:17 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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