ダプトマイシンによる好酸球性肺炎のリスク因子
2022年 03月 28日
呼吸器内科医にとって、「薬剤性好酸球性肺炎」と聞けばダプトマイシンがまず挙がると思います。高齢、血液透析患者さん、高用量は、ダプトマイシンによる好酸球性肺炎のリスク因子のようです。
ちなみに、ダプトマイシンによる好酸球性肺炎には独自に診断基準も提唱されています(Drug Saf. 2012;35:447-457.)。
Ishikawa K, et al. Factors Associated with Daptomycin-Induced Eosinophilic Pneumonia. Antibiotics (Basel) . 2022 Feb 16;11(2):254.
■我々は、ダプトマイシン誘発性好酸球性肺炎患者の特徴を調査し、後ろ向き観察研究を実施した。ダプトマイシンを投与された18歳以上の患者450人(好酸球性肺炎合併:25人、非合併:425人)を対象とした。
■ダプトマイシン投与から好酸球性肺炎発症までの期間の中央値は18.0日だった。確定例0人、probable 9人、possoble 16人だった。14人はダプトマイシン中止のみで軽快した。
■単変量解析では、好酸球性肺炎を発症した患者の年齢中央値(好酸球性肺炎を発症:72.0歳、好酸球性肺炎を発症しなかった:64.0歳)、ダプトマイシン投与量(9.00 vs. 7.50 mg/kg)、血中好酸球数(/μL)(419 vs. 96)、血液透析患者の割合(40.0% vs. 13.4%)が、非好酸球性肺炎例より有意に高かった。多変量ロジスティック回帰分析では、年齢(オッズ比1.03;95%信頼区間1.00-1.05)、DAP投与量(オッズ比1.61;95%信頼区間1.25-2.07 )、血液透析(オッズ比4.42;95%信頼区間1.86-10.5 )はダプトマイシンによる好酸球性肺炎と有意に関連した。
by otowelt
| 2022-03-28 00:10
| 呼吸器その他