出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2022


再告知です。

毎年アップデート出版している「ポケット呼吸器診療2022」が2022年3月31日に発売されます。ガイドラインの更新頻度が高くなっていて、日本もそのうち毎年更新される時代が来ると思います(実際に肺癌は毎年改訂されている)。

今回反映しているガイドラインは、
『インターフェロンγ遊離試験使用指針 2021』、『結核症の基礎知識(改訂第5版)』、『喘息予防・管理ガイドライン2021』、『喘息診療実践ガイドライン 2021』、『Global Initiative for Asthma 2021』、『Global Strategy for Prevention, Diagnosis and Management of COPD, GOLD Reports 2022』、『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022』、『2021 American College of Rheumatology/Vasculitis Foundation Guideline for the Management of Antineutrophil Cytoplasmic Antibody–Associated Vasculitis』、『Diagnosis and Evaluation of Hypersensitivity Pneumonitis: CHEST Guideline and Expert Panel Report』、『肺癌診療ガイドライン2021年版』、『非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針 2021』あたりです。

現在『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022』のパブリックコメントが募集されていますが、パブコメの段階で図表にするわけにはいかないので、見送っています。

その他、3月中にアップデートされた刊行物も少なくないので、もう来年に更新するつもりにしてスッパリと諦めています。

昨年に引き続き、電子書籍版(PDF版)の無料ダウンロード権が付いています!!好評だったので、しばらく継続します。

2021版と同様、変更があった部分は青いアミをかけて、一目で分かるように工夫をこらしています。
出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2022_e0156318_19572797.png
発売日:2022年3月31日
単行本 : 298ページ
価格 : 2,000円 (税抜)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)

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<2021年版→2022年版の主な変更点>
・キーワードと呼吸器疾患に、寄生虫疾患等を追加
・coarse cracklesにearly-inspiratory cracklesを追加
・fine cracklesの補足追加
・肺音のHzについて追記
・MAC抗体価と喀血について追記
・バーチャル気管支鏡について追記
・経気管支クライオ肺生検(transbronchial lung cryobiopsy:TBLC)に追記
・モザイクパターン(mosaic attenuation)、air trapping、three-density patternに
ATS/JRS/ALATガイドライン2020およびACCPガイドライン2021の情報を加味
・photographic negative of pulmonary edema patternに追記
・「一口メモ:コロナ禍における肺エコー」
・結核性胸膜炎におけるADAの感度・特異度を追記
・胸膜癒着術の自己血・10%ポビドンヨードのエビデンスを追加
・「一口メモ:ユニタルク®の追加承認」
・呼吸器の細菌感染症に使用することがある点滴抗菌薬一覧にレカルブリオ®追加
・ノクサフィル®の使用上の注意追加
・COVID-19/新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症を大幅改訂
・リボテスト®レジオネラ、Loopamp® レジオネラ検出試薬キットCについて追記
・「一口メモ:EAT-10 スコア」
・抗真菌薬薬価改定
・アレルゲンコンポーネントAsp f1について追加
・Pneumocystis jiroveciiの喀痰PCR検査について追加
・PCPにおけるLDHの感度・特異度について追加
・PCP予防におけるST合剤とサムチレール®の違いについて補足
・「一口メモ:バクタミニ®」
・肺ノカルジア症の中枢神経系合併症、治療について追記
・年齢別推定結核既感染率について追加
・T-SPOT 判定基準を『インターフェロンγ遊離試験使用指針 2021』に準拠
・抗酸菌感染症にかかわることがある代表的な生物学的製剤に、アニフロルマブ(サフネロー®)、アブロシチニブ(サイバインコ®)追加
・結核治療レジメンからピリドキシン削除
・イソニアジドの低濃度耐性について補足
・未治療結核、既治療結核の薬剤耐性率を改訂
・多剤耐性結核の治療改訂
・抗結核薬の髄液移行性を変更
・ピラジナミドと尿酸の関係について追加
・リファンピシン(RFP)と薬物相互作用に薬剤追加
・MAC抗体と治療効果について追記
・肺MAC症の治療開始時期について、『結核症の基礎知識(改訂第 5 版)』に準拠
・リファンピシン耐性M. kansasii症について追記
・M. abscessus症に対するシタフロキサシン、チエナム®、ランプレン®について追記
・M. fortuitum症の治療追記
・スパイロメトリーや FeNO が測定できない場合の喘息診断について追記
・「気道可逆性検査前に中止することが望ましい気管支拡張作用がある薬剤」改訂(『喘息診療実践ガイドライン2021』)
・喘息診断時の推奨測定アレルゲンを追加
・「喘息の治療ステップおよび未治療患者の導入ステップの目安」改訂(『喘息予防・管理ガイドライン2021』)
・「喘息に対する抗体医薬品」改訂
・テゼペルマブ(テゼスパイア®)について追記
・「喘息増悪」の用語について
・「喘息の増悪治療」改訂
・COPDに対するテオフィリンについて追記
・「一口メモ:リンスパッド®」
・COPD 増悪時のプレドニゾロン個別化用量戦略について追加
・ACOの疾患概念の立ち位置を追記(『喘息診療実践ガイドライン 2021』)
・Bronchiectasis Severity Index追加
・気管支拡張症の増悪の定義追加
・「一口メモ:気管支拡張症に対する LAMA」
・特発性肺線維症(IPF)診断のフローチャート追加(『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022』)
・抗線維化薬のエビデンス追加
・抗線維化薬の薬価改定
・非特異性間質性肺炎(NSIP)の治療例改訂(『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022』)
・特発性器質化肺炎(COP)の治療例(『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022』)
・日本人向け修正 GAP モデル改訂
・ILA(interstitial lung abnormality)について追記
・SScのextensive diseaseについて追記
・SSc-ILDの治療追記
・ACR/EULARによる全身性強皮症分類基準追加
・EULAR/ACR 特発性炎症性筋疾患(IIM)の分類基準追加
・IPF急性増悪に関してEXAFIP研究を追記
・免疫チェックポイント阻害薬の薬剤性肺障害の特徴を追記
・シロリムスと気胸のリスクについて追記
・ANCA関連血管炎のANCA陽性率について追記
・GPA/MPA治療フローチャート追加(『(ACRガイドライン2021推奨)』)
・ANCA関連血管炎に対するリツキシマブ+プレドニゾロンのエビデンス追記
・「一口メモ:アバコパン(タブネオス®)」
・EGPA治療フローチャート追加(『ACRガイドライン2021推奨』、『抗リン脂質抗体症候群・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症・結節性多発動脈炎・リウマ トイド血管炎の治療の手引き2020』)
・特発性急性好酸球性肺炎の治療について追記
・過敏性肺炎、ATS/JRS/ALAT ガイドライン2020、ACCPガイドライン2021に関して追記
・イムノキャップ特異的IgG鳥について追記
・過敏性肺炎の抗原回避について追記
・HP 診断のアルゴリズム追加(『ACCPガイドライン2021』)
・non-fibrotic HPパターン、fibrotic HPパターンの表を追加(『ATS/JRS/ALAT ガイドライン2020』『ACCPガイドライン2021』)
・肺癌のコンパニオン診断、オンコマインDx Target Test マルチCDxシステム、AmoyDx® 肺癌マルチ遺伝子 PCR パネルなどについて追記
・周術期化学療法について追記(CheckMate-816試験、ADAURA試験、IMpower010 試験)
・治療について、『肺癌診療ガイドライン 2021 年版』に準拠
・「一口メモ:ソトラシブ(ルマケラス®)」
・イピニボ:CheckMate-227試験について追記
・「TOPICS:POSEIDON試験」
・セルペルカチニブ(レットヴィモ®)、ラロトレクチニブ(ヴァイトラックビ®)、ソトラシブ(ルマケラス®)などの新承認薬追加
・「TOPICS:HER2 陽性非小細胞肺癌」
・「TOPICS:新たなドライバー遺伝子 CLIP1-LTK 融合遺伝子」
・「TOPICS:オリゴメタ」
・「一口メモ:アナモレリン(エドルミズ®)」
・「EGFR-TKI による皮膚障害の典型的な時間経過」改訂
・コロナ禍におけるG-CSF投与について追記
・イピニボ:CheckMate-743試験について追記
・イミフィンジ®:PrE0505試験について追記
・胸腺腫における赤芽球癆と低γグロブリン血症について追記
・正岡分類II期について追記
・胸腺腫に対する線量分割について追記
・脳転移の放射線治療について追記
・じん肺の疫学追加
・「一口メモ:じん肺の申請におけるハードル(その2)」
・「喉頭アレルギー」の項目追加
・「副鼻腔気管支症候群(SBS)と上気道咳症候群(UACS)の周辺疾患」追加
・好酸球性副鼻腔炎に対する生物学的製剤のエビデンス追記
・「TOPICS:リフヌア®」
・「一口メモ:非がん性呼吸器疾患におけるオピオイドの適用」(『非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針 2021』)
・障害者手帳の詳細追記
・気胸に対する酸素療法の注意点追記
・肺高血圧症の第3群について追記
・肺高血圧症のJRPHSコホートデータ追記
・肺高血圧症の予後について追記
・「TOPICS:吸入トレプロスチニル」(INCREASE研究)
・「高額療養費制度」の項目追加

このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としているつもりです。

呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、これからも努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

最後に、シーニュの藤本浩喜様と、臨床に没頭させてくれる全患者さんに心より感謝申し上げます。



by otowelt | 2022-03-31 00:13 | その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優