認知症がCOPD増悪に与える影響
2022年 04月 02日
COPD患者さんは、同年代の健常人と比較すると軽度認知障害(MCI)や認知症のリスクが高いとされています(Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Feb 13;14:403-408.)。
- 概要
■COPD患者は一般人口に比べ認知機能障害のリスクが高い。しかし、そのような患者における認知症の追加的影響、特にCOPD増悪で入院した患者における影響はよく理解されていない。われわれ、COPD増悪で入院した患者の入院死亡率および入院期間に対する認知症の影響を、National Inpatient Sampleデータベースを用いて評価した。
■2011~2015年にCOPD増悪で入院した40歳以上の患者を対象とした。症例は認知症のある患者とない患者に分類された。年齢で層別した多変量ロジスティック回帰分析を用いて、入院患者死亡のリスクを評価した。死亡率を比較するためにCox回帰を行い、競合リスク分析を用いて死亡までの時間を競合変数とした退院率推定を行った。
■57万6,381人の患者が解析に含まれ、そのうち3万5,372人(6.1%)が認知症を有していた。死亡は6,413人(1.1%)であった。入院患者の死亡のオッズは、認知症のある若い患者(41〜64歳)で有意に高かった[オッズ比(95%信頼区間)1.75(1.04〜2.92)、p=0.03]。また、認知症の症例は、最初の4日間の入院死亡率が高く[ハザード比(95%信頼区間)1.23(1.08-1.41)、p=0.002]、入院期間が長かった[0.93(0.92-0.94)、p<0.001]。
by otowelt
| 2022-04-02 00:15
| 気管支喘息・COPD