メタアナリシス:COVID-19における覚醒下腹臥位療法は結局有効か?


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覚醒下腹臥位療法、挿管しようにも医療リソースが不足して通常酸素療法で粘らないといけない場合に多くの病院で適用されていたと思いますが、効果アリという臨床試験が出た後に効果ナシという臨床試験が出たりして、どないやねんという感想を持っていた人は多かったと思います。

この報告では「毎日、できるだけ長く、できるだけ頻繁に」といいう条件での腹臥位なのですが、結構キツイんですよね、これ。特に呼吸不全期にある患者さんの場合、胸郭の運動が制限されるので、逆効果になるケースもありそうです。

なお、直近BMJで報告されているCOVID-PRONE試験においては、無益早期中止となっています(BMJ. 2022 Mar 23;376:e068585.)。


Li J, et al. Awake prone positioning for non-intubated patients with COVID-19-related acute hypoxaemic respiratory failure: a systematic review and meta-analysis. Lancet Respir Med. 2022 Mar 16;S2213-2600(22)00043-1.

  • 概要
■COVID-19に関連する急性低酸素性呼吸不全の非挿管患者に対して、覚醒下腹臥位療法が広く利用されているが、過去1年間に発表されたランダム化比較試験の結果には相反するものがある。われわれは、覚醒下腹臥位療法のアウトカムにつき評価した。

■システマティックレビューとメタアナリシスに際して、2つの独立した研究者グループが、2020年1月1日~2021年11月8日までに英語文献をMEDLINE, Embase, PubMed, Web of Science, Scopus, MedRxiv, BioRxiv, ClinicalTrials.gov を検索し、結果をまとめた。登録前または登録時に挿管された患者を含む試験、小児患者(18歳未満)、対照群として仰臥位が含まれない試験は除外した。独立した2グループが研究をスクリーニングし、データを抽出してバイアスリスクを評価した。個々の研究をプールするために、ランダム効果メタアナリシスを適用した。主要アウトカムは、ランダム化比較試験間で報告された累積挿管リスクとし、効果推定値はリスク比(95%信頼区間)として算出した。解析は主にランダム化比較試験を対象とし、感度解析に際して観察研究を用いた。覚醒下腹臥位療法に関連する重篤な有害事象は報告されなかった。

■合計1243件の研究が同定され、138件の全文を評価し、29件が本研究に含まれた。10件はランダム化比較試験(1985人)、19件は観察研究(2669人)だった。10件のランダム化比較試験では、仰臥位と比較した覚醒下腹臥位療法は、全体において挿管の必要性を有意に減少させた(リスク比0.84[95%信頼区間0.72-0.97])。登録時に高度な呼吸補助(高流量鼻カニュラ酸素療法または非侵襲的換気)を受けていた患者(リスク比0.83[95%信頼区間0.71-0.97])および集中治療室入室者(リスク比0.83[95%信頼区間0.71-0.97])において挿管の必要性が低下したが、通常酸素療法を受けている患者や(リスク比0.87[95%信頼区間0.45-1.69])、集中治療室外の患者(リスク比0.88[95%信頼区間0.44-1.76])では必要性の低下は観察されなかった。ランダム化比較試験の間で明らかなバイアスリスクや出版バイアスは認められなかった。







by otowelt | 2022-04-09 00:27 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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