COVID-19:中等症IIにおけるステロイドパルス療法

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デキサメタゾンの用量を20mg/dayまで増加した臨床試験においても、効果は認められておらず(Eur Respir J 2021: 2102518.)、おそらくメチルプレドニゾロンを高用量にしても結果は変わらないだろうと予測されていました。

新型コロナに限らず、そもそも1000mg/dayは多いだろうという見解はよく聞くようになりましたが、新型コロナがなければ日本のステロイドパルス療法の議論はすすまなかったかもしれません。特に呼吸器内科領域においては。

そういえば、國松先生の『ステロイドの虎』という本が発売されるそうで、ひそかに無茶苦茶楽しみにしています。


Salvarani C, et al. Intravenous methylprednisolone pulses in hospitalised patients with severe COVID-19 pneumonia, A double-blind, randomised, placebo-controlled trial. Eur Respir J. 2022 Mar 31;2200025.

  • 概要
■COVID-19による高炎症性の病態では、ステロイドパルス療法がおこなわれることがある。COVID-19の肺炎に対する標準治療に加えて、メチルプレドニゾロンによるステロイドパルス療法の有効性と安全性を検討した。

■イタリアで実施された多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験において、COVID-19の入院患者304人を、標準的デキサメタゾンに加えてメチルプレドニゾロン1g3日間投与する群とプラセボを投与する群にランダムに割り付けた。主要評価項目は患者の入院期間とし、ランダム化から退院までの期間で補助酸素を必要としない期間として算出した。副次的表栫目は、気管挿管を伴う集中治療室への入院や死亡、総死亡である。

■発症から5日以上が経過し、侵襲性人工呼吸管理を除くあらゆる投与方法で酸素投与を必要とする、P/F比100~300でCRP>5mg/dLの症例が対象となった。

■ステロイドパルス療法群は、標準治療デキサメタゾン6mg/dayのRECOVERYレジメンに加えて、ランダム後1、2、3日目にメチルプレドニゾロン1gを100mLの生理食塩水で溶解しボーラス静注した。

■ステロイドパルス療法群は、151人中112人(75.4%)、プラセボ群では150人中111人(75.2%)がランダム化から30日以内に酸素投与なしで退院した。退院までの期間の中央値は両群で同程度だった(15日、95%信頼区間13.0~17.0) vs 16日、95%信頼区間13.8~18.2;ハザード比0.92;95%信頼区間0.71-1.20;p=0.528)。気管挿管を伴う集中治療室への入室あるいは死亡(20.0% vs 16.1%、ハザード比1.26; 95%信頼区間0.74-2.16; p=0.176)、全死亡(10.0% vs 12.2%; ハザード比0.83; 95%信頼区間0.42-1.64; p=0.584)について有意差は確認されなかった。重篤な有害事象は両群で同程度の頻度で発生した。





by otowelt | 2022-04-03 00:49 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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