IPF合併進行NSCLCに対するカルボプラチン+nab-パクリタキセル+ニンテダニブ
2022年 04月 21日
IP合併肺癌はこれぞというレジメンの決め手がないものの、リスクと効果をにらめっこしながら使われている現状がありますね。
カルボプラチン+nab-パクリタキセルは、IPF合併進行NSCLCに対して有効かつ忍容性であるとこの研究で示されましたが、ニンテダニブと併用することでプライマリアウトカムではないもののPFSが延長しています。
- 概要
■IPFは、肺癌の独立リスク因子となる予後不良の肺疾患である。しかし、IPFを有する進行肺癌に対する最適な治療法はまだ確立されていない。我々は、IPF合併進行NSCLCに対するニンテダニブ+化学療法の有効性と安全性を、化学療法単独(標準治療群)と比較するランダム化第3相試験を実施した。
■化学療法歴のないIPF合併進行NSCLC患者を、カルボプラチン(AUC6)+nab-パクリタキセル(day1、8、15に100 mg/m2)にニンテダニブ(150 mg 1日2回)を上乗せする群としない群に割り付けた。主要評価項目は無増悪(exacerbation)生存期間(EFS)とした(※progression-freeではない)。
■2017年5月から2020年2月の間に、243人の患者が登録された。EFS中央値はニンテダニブ+化学療法群で14.6か月、化学療法群で11.8か月(ハザード比0.89;90%信頼区間0.67-1.17;p=0.24 )、PFS中央値はそれぞれ6.2か月、5.5か月(ハザード比0.68;95%信頼区間0.50-0.92)だった。非扁平上皮癌(ハザード比0.61; 95%信頼区間0.40-0.93)およびGAPステージIの患者(ハザード比0.61; 95%信頼区間0.38-0.98)ではニンテダニブによって全生存期間が改善された。240人中7人(2.9%)の患者が試験治療中にIPF急性増悪を経験した。
by otowelt
| 2022-04-21 00:39
| 肺癌・その他腫瘍