EBUS-TBNAにおける19G針 vs 21/22G針


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EBUS-TBNAの針は、太いか細いかという重要性は現場ではそれほど実感がなく、穿刺や針の動きがスムーズな製品を使いたいという気持ちのほうが大きいです。とはいえ、実際には太いほうがひも状検体(所謂ヒモケン)が多いというエキスパートオピニオンもあり、NGS時代に入ったこともあり、大規模な臨床試験が求められていました。

25Gはさすがに細すぎると思います。実際にサルコイドーシスの診断ではちょっと厳しそうな報告があります(22Gと25Gの比較試験:Respir Investig. 2021 Mar;59(2):235-239.)。細かいゲージ数の差をみたものでは、22Gと21Gでは大差ないとされています(J Cancer. 2020 Sep 14;11(21):6454-6459.)。しかし、リンパ腫の診断に関しては19Gのほうがよいという報告もあります(J Cancer. 2021 Aug 5;12(19):5874-5878.)。

今回紹介する研究では、ゲージ数については"less is more"という結論が示されました。Zarogoulidisらの研究と一部相反していますが、太さについてはこだわるポイントではないのかもしれません。




  • 概要
■縦隔リンパ節腫脹の評価には、EBUS-TBNAが一般的に用いられている。悪性の評価において、21G針と22G針が過去に比較されているが、どちらか一方の針のサイズが他方より優れているということはまだ確認されていない。

■19GのEBUS針は、21Gおよび22GのEBUS針と比較して、サルコイドーシス、リンパ腫、あるいは未診断の縦隔リンパ節腫大の診断における診断に有用かどうか調べた。

■Stather Canadian Outcomes Registry for Chest Procedures(SCOPE)データベースから、サルコイドーシス、リンパ腫、縦隔リンパ節腫の疑いという診断でEBUS-TBNAを受けた730人の患者記録を後ろ向きに検討した。2群の傾向スコア解析が行われた。1群は19G針でEBUS-TBNAを受けた患者、もう1群は21Gまたは22Gの針でEBUS-TBNAを受けた患者である。

■傾向スコア解析では19G群137人(312病変)、21G/22G群274人(631病変)でが対象となった。診断率は、19G群107人/137人(78.1%)と21G/22G群194人/274人(70.8%)だった(差7.3%、95%信頼区間-1.9~15.6,p=0.116 )。サルコイドーシスに対するEBUS-TBNAの感度は、19G群80人/84人(95.2%) vs 21G/22G群150人/156人(96.2%)(差1.0%、95%信頼区間-4.2~8.2、p=0.71)だった。最終的にリンパ腫と診断された患者において、EBUS-TBNAは19G群10人/13人(76.9%)と21G/22G群12人/12人(100%)で診断可能だった(差23.1%、95%信頼区間-5.4~50.3%, p=0.08)。






by otowelt | 2022-04-08 00:24 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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