間質性肺疾患の咳特異的QOLを悪化させる因子
2022年 04月 29日
リフヌア®の登場で2022年は慢性咳嗽元年と呼べる年になるかもしれません。過度な期待を持っているわけではなく、難治性慢性咳嗽にスポットが当たるのではないかと考えています。
咳の本を書いてしまうくらい、咳嗽とは真正面から向き合ってきたと思いますが、施設ごとに可能な検査には限界があり、どうシンプルに対峙するかは咳嗽診療における永遠のテーマでもあります。
ILDの咳嗽は非常に頑固で、デキストロメトルファン、コデインリン酸、漢方薬などさまざまな薬剤を用いるものの、現代医学をもってしても、大幅な緩和にはいたっていない状況があります。
Lee J, et al. Cough-specific Quality of Life Predicts Disease Progression Among Patients with Interstitial Lung Disease: Data from the Pulmonary Fibrosis Foundation Patient Registry. CHEST, DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2022.03.025.
- 概要
■咳嗽は間質性肺疾患(ILD)の一般的な症状であり、健康関連QOLにマイナスの影響を与える。過去の研究で、IPF患者において咳嗽は疾患進行を予測し、呼吸器系の入院や死亡率も予測する可能性が示されている。
■咳特異的QOLは、ILD患者の疾患進行、呼吸器系入院、肺移植、死亡を予測するかどうかを調べた。
■ILD患者を診療している多施設データからなるPulmonary Fibrosis Foundation Registryのデータを解析した。比例オッズモデルを用いて、患者因子と咳特異的QOLツールであるLeicester cough questionnaire(LCQ)のベースラインスコアとの関連を検討した。次に、ベースラインLCQスコアと患者データ・肺機能パラメータとの関連を、単変量および多変量比例ハザードモデルを用いて検討した。このモデルは、疾患重症度を含む変数で調整したものである。
■1447人のILD患者が本研究の対象となった。多変量比例オッズモデルでは、以下の患者因子が咳特異的QOLの悪化と関連していた。
- 若年
- 「その他のILD」の診断
- 胃食道逆流症
- %予測努力性肺活量
■ベースラインの重症度を含むいくつかの変数を調整した多変量Cox回帰モデルでは、LCQスコアの1ポイント低下ごとに、呼吸器関連の入院リスクが6.5%高く(ハザード比、1.065[95%信頼区間1.025-1.107])、死亡リスクが7.4%高く(ハザード比1.074[95%信頼区間1.020-1.130])、肺移植のリスクが8.7%高くなる(ハザード比1.087[95%信頼区間1.022-1.156])ことが示された。
by otowelt
| 2022-04-29 00:13
| びまん性肺疾患










