慢性肺アスペルギルス症に対するイトラコナゾール12か月治療は6か月治療より再発が少ない
2022年 04月 24日
慢性肺アスペルギルス症に対する治療は、内服だと国内ではアゾール系しかないのが現状で、ボリコナゾールがダメならイトラコナゾールしかありません。侵襲性の場合ポサコナゾールに選択肢が広がりますが、結局これもアゾールです。将来的に、イサブコナゾールが承認されると思いますが、これもアゾール系・・・。
非アゾール系の経口抗真菌薬としてはibrexafungerpが肺アスペルギルス症に対して一番乗りになりましたが、日本では何年後になるのか・・・といったところです。いわゆる「経口キャンディン」という位置づけですが、臨床試験が満足になく、CPAに対するミカファンギンのように、あまり切れ味のよさを感じられないものという印象です。
イトラコナゾールの治療期間を検討した単施設研究がなんとLancet Infectious Diseaseに掲載されるという。意外と単純な試験デザインで検討できるのに、研究が全然なかったんですよね。
ボリコナゾールで試験を組むと脱落が多いと予想されるので、保守的なイトラコナゾールでまずはエビデンスをといった目論見でしょうか。
ボリコナゾールと比較してイトラコナゾール治療でアゾール耐性が発現する割合が明らかに高いことが分かっており(PLoS One. 2018;13(4):e0193732.)、アスペルギルスに対して長期治療が必要そうな患者さんではボリコナゾールを選択するほうが理にかなっています。
Sehgal I, et al. Efficacy of 12-months oral itraconazole versus 6-months oral itraconazole to prevent relapses of chronic pulmonary aspergillosis: an open-label, randomised controlled trial in India. Lancet Infect Dis. 2022 Apr 13;S1473-3099(22)00057-3.
- 概要
■慢性肺アスペルギルス症(CPA)の5年死亡率は世界的には50~80%と高く、最適な治療期間は未だ不明である。この研究は、CPAに対するイトラコナゾール6ヶ月間経口投与とイトラコナゾール12ヶ月間経口投与の効果を比較検討することを目的とした。
■インドにおいて実施された単施設非盲検無作為化比較試験において、未治療のCPA患者を連続登録し、ブロックランダム化により、適格患者をイトラコナゾール400 mg/日の開始用量で6か月または12か月間経口投与する群にランダムに割り付けた。参加者や治験責任医師に対する盲検化は行われなかった。インフォームドコンセントが得られない患者、過去か月間に3週間以上の抗真菌薬内服があった患者、活動性結核または肺非結核菌性抗酸菌症がある患者、アレルギー性・亜急性/侵襲性アスペルギルス症の患者は除外された。主要評価項目は、治療開始後2年時点に再発した患者の割合とした。全アウトカムはITT解析された。
※国際的には慢性壊死性肺アスペルギルス症は、亜急性侵襲性肺アスペルギルス症(Subacute invasive pulmonary aspergillosis)と呼ばれている。
■2019年7月1日から2021年8月31日の間に参加者を募集した。250人の患者をスクリーニングし、そのうち164人が試験に組み入れられた。81人の患者が6か月群に、83人の患者が12か月群にランダムに割り付けられた。試験参加者は女性78人(48%)、男性86人(52%)で、平均年齢は44.3±13.3歳だった。再発を経験した患者の割合は12か月群で有意に低かった(6か月群31人[38%] vs 12か月群8人[10%]、絶対リスク減少0.29[95%信頼区間0.16-0.40])。初回再発までの平均期間は12か月群において23か月で、6か月群の平均18か月より有意に長かった(p<0.0001)。
■全体での死亡例は合計16例で、各群8例だった。副作用は6か月群81例中10例(12%)、12か月群83例中18例(22%)に観察されたが、治療の変更を必要とするものはなかった。両群とも吐き気と食欲不振が最も多い有害事象であった。
by otowelt
| 2022-04-24 01:42
| 感染症全般










