プライマリ・ケア連合学会が監修した、オフィシャルとも言える総合診療本が登場しました。
発売日:2022年5月13日
単行本 : 240ページ
価格 : 4,500円 (税別)
出版社 : 日経BP
監修: 日本プライマリ・ケア連合学会
学会監修では珍しく、対話形式ですすんでいく読みやすい仕上がりになっています。地域のいくつかの病院を舞台に、色々な患者さんにどのように対応していくのか、若手医師が中心に奮闘する流れになっています。
子どもが巣立ってしまって、親の介護にかかわりにくいという状況は本当に現場でもよく目にします。すぐに施設や療養型病院が選択肢に挙がってしまうと寂しい気持ちもありますが、主体的に家族がかかわれる家庭というのはそこまで多くない社会事情もあります。
この本を読んで、褥瘡を予防するために2時間ごとの体位変換をしていた患者家族を思い出しました。理想的なケアと現実的なケアには必ず乖離があり、医学的なベストオブベストを常に目指すと、疲弊してしまいます。
そういった「落としどころ」についてもちゃんと書かれてあるところに好感を持ちました。