気管支拡張症の1秒量減少について
2022年 06月 13日
すでに1秒量が低い気管支拡張症ではさらに今後低下する可能性が高いと考えられます。緑膿菌に関する相関は観察されませんでしたが、増悪を繰り返す理由としてはやはり感染症が多いのは事実です。14日ごとに抗菌薬投与を繰り返すというON/OFF戦略が有効とされていますが(Cochrane Database Syst Rev. 2022 Jan 5;1(1):CD013254)、耐性菌の助長に加えて日本の保険診療では難しいと考えられます。
気管支拡張症に対するチオトロピウム(ハンディヘラー製剤)は58mLほど1秒量を底上げする効果がありますが(Eur Respir J. 2021 Nov 18;2102184.)、これも日本では保険適用外となります。
- 概要
■気管支拡張症は、喀痰、咳、その他呼吸器系感染症を特徴とする慢性呼吸器疾患である。肺機能は、気管支拡張症患者において評価・検討すべき重要なパラメータである。本研究は、嚢胞性線維症による気管支拡張症患者における1秒量の年次変化と関連因子を評価することを目的とした。
■1996~2018年の間にイスタンブール大学医学部の気管支拡張症診療部で、胸部CT写真を用いて気管支拡張症と診断され追跡調査を受けた患者計529人を後ろ向き研究に組み入れた。合計153人の患者が本研究に登録された。
■患者の平均年齢は58.6±16.8歳で、61%(n=93)が女性だった。1秒量および努力性肺活量の年間変化量はそれぞれ-39±82mL(最小:-585mL,最大:355mL,中央値:-26mL)および-44±91mL(最小:-517mL,最大:303mL,中央値:-31mL)だった。緑膿菌のコロニー形成の有無による1秒量減少への相関は観察されなかった(P = 0.65)。また、背景因子と1秒量低下量との間にも相関は観察されなかった。初回1秒量・%1秒量と1秒量低下との間に相関が観察された(初回%1秒量:P = 0.038[R = -0.17],初回1秒量:P = 0.026[R = -0.18])。
by otowelt
| 2022-06-13 00:59
| 呼吸器その他










