抗IL-5/5Ra療法と累積OCS曝露量

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好酸球性喘息のとき、ICS/LABAで治療を開始しますが、中用量以上でダメそうなときは、高額療養費制度の説明をしてモノクローナル抗体を導入することが望ましいです。IgEが高いときはデュピクセントを使うことが多いですが、自己注射が難しい患者さんではファセンラを導入したほうが、通院頻度的にもやりやすいと思います。

さて、OCS曝露量が少なく、曝露期間が短い患者ほど、OCSから離脱できる可能性が高いことが示されました。これは臨床的実感と同じところです。

それにしても、テゼスパイアが登場すれば、みなさんそちらに移ってしまうのだろうか・・・。





  • 概要
■抗IL-5/5Ra療法は、重症好酸球性喘息において経口ステロイド(OCS)の維持量を減少させることが示されている。しかし、OCS累積量に対する効果は現在のところ不明である。また、過去のOCSが抗IL-5/5Ra療法に対する反応にどのような影響を及ぼすかも不明である。

■抗IL-5/5Ra投与開始前後の2年間のOCS累積曝露量を比較することを主目的とし、抗IL-5/5Ra投与前の期間とOCS累積曝露量が抗IL-5/5Ra投与後2年以内のOCS中止可能性に影響するかどうかも検討した。

■オランダの重症喘息登録コホート(RAPSODI)に含まれる重症好酸球性喘息の成人389人の、抗IL-5/5Ra開始前2年間と開始後2年間に処方された全OCSを評価した。

■抗IL-5/5Ra投与開始前に累積曝露量が徐々に増加していた。抗IL-5/5Ra投与開始前後2年間の累積OCS投与量の中央値(IQR)は、2.715 g(1.150-5.539)→1.050 g(0.300-3.640) と減少した(p<0.001)。52%の患者が抗IL-5/5Ra療法2年以内にOCSを中止することができた。過去OCS曝露量が少ないこと・投与期間が短いことは、その独立予測因子であった。






by otowelt | 2022-06-09 00:09 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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