COPDに対する1分間椅子立ち上がりテストのカットオフ値
2022年 06月 15日
6分間歩行試験は当院でもよく実施していますが、この論文の最初に書かれているように「長い廊下を必要とし、時間がかかる」。これに尽きます。1分間椅子立ち上がりテスト(STS)は、COPD患者における運動耐用能を評価する上で信頼性が高いことがすでに報告されています(Eur Respir J. 2017 Mar 2;49(3):1601871.)
ただ、膝関節が悪い高齢者にとっては偽評価となりうるため注意が必要です。杖歩行で6分間歩行試験なども、基本的には信頼性が乏しくなるので、適切に試験が完遂できるというのは必須条件です。
とりあえず、1分間STSについては約20回と覚えてしまうことになりますね。
1分間STSの手法については、ベーリンガーインゲルハイム社に動画が公開されているので、是非参考にしてください(URL:https://pro.boehringer-ingelheim.com/jp/product/ofev/1-minute-sit-to-stand-test-preparation-video-with-audio)。ただしこれは、COPDではなく、オフェブに関するコンテンツです。
- 概要
■6分間歩行試験(6MWT)は、COPD患者の機能評価のための指標として広く用いられている。しかし、長い廊下を必要とし、時間がかかる。他の簡便な測定法は、初期スクリーニングツールとして有用かもしれない。われわれは、1分間椅子立ち上がりテスト(STS)が、機能障害のあるCOPD患者とないCOPD患者の識別にどのような予測力を持つかを調査した。
■ROC曲線分析を行った。6MWTの異なるカットオフ値(300、350、400、450m)に基づき、機能障害を識別するための1分間STSの閾値を決定した。
■135人のCOPD患者が対象となった。6MWTの450m未満のカットオフを除き、他のすべてのカットオフでは、1分間STSの最適カットオフポイントとして19.5回が同定された。これらのAUCは優れたAUCを示した(AUC = 0.812-0.901)。300m未満カットオフではAUCが最も高く(0.901;95%信頼区間0.84-0.96;他の6MWTカットオフではAUCは0.812-0.836)、特異度86%、感度83%であった。
by otowelt
| 2022-06-15 00:33
| 気管支喘息・COPD