ILD診療におけるRF/抗CCP抗体陽性の有用性
2022年 06月 19日
非CTD-ILDにおけるRF or 抗CCP抗体の陽性は、予後や治療効果の改善と関連しなかったという報告です。IIPs370人のうち全体の6.5%が抗CCP抗体陽性で(IPFでは144人中7人[4.9%]が抗体陽性)、3年間の累積RA発症率は、陽性患者さんの28.9%におよぶとされています(Respir Med. Jul-Aug 2019;154:102-108.)。
- 概要
■関節リウマチ(RA)は間質性肺疾患(ILD)の原因として頻度が高いが、結合組織病(CTD)を伴わないILDにおけるリウマトイド因子および抗CCP抗体血清陽性の影響は不明である。われわれは、非CTD-ILDにおいて、血清陽性とILD進行、死亡率、免疫抑制剤への反応性との関連性を検討した。
■非CTD患者(IPF、HP、IPAF、分類不能ILD)1570人とRA-ILD患者181人を前向き登録の対象とした。年齢、性別、喫煙年数、ベースラインのFVCで調整した線形混合効果モデルおよびCox比例ハザードモデルを用いて、FVC、移植なし生存率、進行性線維化ILD(PF-ILD)の発生率を血清陰性非CTD-ILD(基準群)、血清陽性非CTD-ILD、RA-ILD間で比較検討した。治療前後で6か月以上の追跡期間がある患者を対象に、FVC低下に対する血清反応と免疫抑制剤の交互作用を評価した。
■血清陽性の非CTD-ILD患者217人(13.8%)は、血清陰性の非CTD-ILDと比較してFVC低下率および移植不要生存率は同等だったが、頻繁にPF-ILDの基準を満たした(ハザード比1.35, p=0.004 )。RA-ILDは血清陰性非CTD-ILDと比較して、FVC低下が遅く(p=0.03)、PF-ILDが少なく(ハザード比0.75、p=0.03)、肺移植または死亡の可能性が低かった(ハザード比0.66、p=0.01)。非CTD-ILDでは、血清反応陽性と免疫抑制剤治療との間にFVC低下に関する交互作用はみられなかった。
by otowelt
| 2022-06-19 00:29
| びまん性肺疾患