消化管結核の臨床的特徴


腸結核は肺外結核のうち第4位に位置しており、脊椎結核などと比べると実は頻度が高いという意外性があります(臨床的には脊椎結核のほうがよく診断されている気がしますが・・・)()。長らく腸結核は年間300例ほどが診断されていましたが、直近では200例前後に落ち着いています。

消化管結核の臨床的特徴_e0156318_16415604.png
. 肺外結核(『結核の統計2021』より引用)

消化管結核は、管内性、血行性、リンパ行性、隣接臓器からの直接感染という経路がありますが、胃酸の中でも生きていけることもあり、管内性の頻度が最も高いとされています。結核菌が腸管内に侵入すると、パイエル板などから腸管粘膜内のリンパ濾胞に侵入し、そこで結核結節を形成します。リンパ管は腸管の短軸方向に走行していることから、輪状潰瘍になりやすいと考えられます。



Monreal-Robles R, et al. High mortality due to gastrointestinal TB in HIV and non-HIV patients. Int J Tuberc Lung Dis. 2022 Apr 1;26(4):348-355.

■Hospital Universitario "Dr José E. González"における消化器結核の臨床像、診断方法、治療法およびアウトカムを報告する。8年間の連続した消化器結核入院患者全員の背景、臨床データ等を前向きに調査した。

■結核感染入院患者799人中、28人(3.5%)に消化器結核を認めた。7人(25%)がHIV陽性だった。死亡率は35.7%で、ヘモグロビン<12 g/dLとアルブミン<2.8 g/dLの複合が独立して死亡と関連していた(オッズ比25.7,95%信頼区間1.405-471.1,P=0.029 )。

■手術の必要性(28.6% vs 47.6%,P = 0.662)、敗血症性ショック(14.3 vs 23.8%,P = 1.00)、死亡率(14.3% vs 42.9,P = 0.364)はHIV陽性者とHIV非陽性者で有意差はなかった。







by otowelt | 2022-06-27 00:50 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30