COPDGeneコホート:ILAにおける牽引性気管支拡張/細気管支拡張インデックスと予後

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大阪大学の秦明典先生が筆頭著者のRadiolgyの論文です。TBI-2~3は明確にKaplan-Meier曲線で下の方に位置していることから、1と2では大きく差がある印象です(TBI-3が全体でも5人しかいないことからなおさら)。7年全生存に関して、Abstractで報告されているのは、年齢、性別、BMI、喫煙歴、%FVCで調整したモデルです。



Hata A, et al. Traction Bronchiectasis/Bronchiolectasis on CT Scans in Relationship to Clinical Outcomes and Mortality: The COPDGene Study. Radiology. 2022 May 31;212584.


■ILAが予後に及ぼす臨床的影響は多くの研究で報告されているが、ILAのリスク層別化は臨床に寄与する。COPDGeneコホートを用いて、ILAを有する人の死亡率および臨床転帰と牽引性気管支拡張/細気管支拡張症インデックス(TBI)の関連性を検討することを目的とした。

■前向きに収集されたデータの二次解析である。COPDGene研究(2008年1月~2011年6月)において、牽引性気管支拡張/細気管支拡張を評価し、ILAを有さない参加者とのアウトカムを比較した。TBIは以下のように分類された。

  • TBI-0:牽引性気管支拡張/細気管支拡張のないILA
  • TBI-1:牽引性細気管支拡張はあるが気管支拡張やarchitectural distortionのないILA
  • TBI-2:軽度~中程度の牽引性気管支拡張のあるILA
  • TBI-3:重度の牽引性気管支拡張と蜂巣肺を持つILA

■多変量線形回帰モデルおよびCox比例ハザードモデルを用いて、TBIグループと非ILA群の間で臨床アウトカムおよび全生存率を比較した。

■5295人(年齢中央値59歳、IQR52-66歳、男性2779人)が対象となり、ILAを有する582人とILAを有しない4713人が同定された。多変量線形回帰モデルにおいて、TBIグループはQOLスコアなどのより悪影響の大きい臨床アウトカムと関連していた(TBI-0:係数3.2[95%信頼区間0.6-5.7; P = .01]; TBI-1:係数3.3 [95%信頼区間1.1-5.6; P = .003]; TBI-2:係数7.6 [95%信頼区間4.0-11; P < .001]; TBI-3:係数32 [95%信頼区間17-48; P < .001])。多変量Coxモデルにより、牽引性気管支拡張のないILA(TBI0~1)および牽引性気管支拡張あり(TBI2~3)は、より短い全生存期間と関連することが示された(TBI-0~1:ハザード比1.4[95%信頼区間1.0-1.9、P = .049]; TBI-2~3: ハザード比3.8 [95%信頼区間2.6-5.6; P < 0.001])。






by otowelt | 2022-06-07 00:51 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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