FURLONG試験:局所進行/転移性NSCLCに対するFurmonertinibとゲフィチニブの比較

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2ヶ月前にARRIVENT社のプレスリリースで報告されている、Ivesa vs IressaのFURLONG試験の結果がLancet Respiratory Medicineに掲載されました。未治療のEGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するEGFR-TKIでシンプルな試験デザインです。

副作用がやや少なく、PFSも第一世代EGFR-TKIの2倍です。



■Furmonertinib(AST2818)は、不可逆的かつ選択的第三世代EGFR-TKIである。EGFR遺伝子変異陽性の局所進行性または転移性NSCLCの一次治療として、第一世代EGFR-TKIであるゲフィチニブに対するFurmonertinibの有効性と安全性を調査した。

■FURLONG試験は、中国本土の55病院で行われた多施設共同二重盲検ランダム化第3相試験である。18歳以上で、組織学的に確認された局所進行性または転移性のStage IIIB/IIIC/IVの切除不能NSCLCで、EGFR exon19欠失またはexon21 Leu858Arg変異を有する患者を登録した。EGFR遺伝子変異およびCNS転移によって層別化され、病勢進行、毒性、同意撤回、または治験責任医師が判断するその他の中止理由を満たすまで、21日サイクルでFurmonertinib(80mg/日)またはゲフィチニブ(250mg/日)経口のいずれかの群にランダムに割り付けられた。主要評価項目はIRCが評価したPFSとした。OSについては現在追跡中である。

■2019年5月30日~2019年12月5日に、750人の患者がスクリーニングされ、そのうち358人がFurmonertinib+ゲフィチニブマッチングプラセボ(n=178)またはゲフィチニブ+Furmonertinibマッチングプラセボ(n=180)のいずれかにランダムに割り付けられた。それぞれ178人、179人が解析された。

■PFS中央値は、Furmonertinib群20.8か月(95%信頼区間17.8-23.5)、ゲフィチニブ群11.1か月(95%信頼区間9.7-12.5)だった(ハザード比0.44、95%信頼区間0.34-0.58;p<0.0001 )。グレード3以上の治療関連有害事象は、Furmonertinib群178例中20例(11%)、ゲフィチニブ群179例中32例(18%)に発現した。重篤な有害事象は、Furmonertinib群で10例(6%)、ゲフィチニブ群で11例(6%)に報告された。有害事象による死亡例はそれぞれ10例(6%)、3例(2%)であり、治療薬と無関係の可能性があると判断された。






by otowelt | 2022-06-10 00:36 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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