オシメルチニブ投与後の薬剤性肺障害はTAPOを含め18%

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神戸市立医療センター中央市民病院の佐藤悠城先生が筆頭著者の論文です。オシメルチニブ投与中のTAPOについては、74人の検討において15人(20.3%)、TAPO発症までの期間中央値は24.0週間という報告があります(J Thorac Oncol. 2018 Aug;13(8):1106-1112.)。半数がTAPOということですが、TAPOが消えれば再投与も検討可能です(J Thorc Oncol. 2016 11(12) : 2253-2258)。ブリグチニブでも似たような現象が起こりますが、こちらはEOPE(Early-onset Pulmonary Event)と呼ばれます(J Torac Oncol. 2019; 14(9): 1547-1555)。



Sato Y, et al. Drug-related pneumonitis induced by osimertinib as first-line treatment for EGFR-positive non-small cell lung cancer: a real-world setting. Chest. 2022 Jun 1;S0012-3692(22)01068-6.

■オシメルチニブは、進行EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対する有効性のある薬剤である。薬剤性肺炎(DRP)はオシメルチニブ治療による致死的な合併症の可能性があるが、信頼できる実臨床データは不足している。

■2018年8月~2019年12月の間に進行EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの一次治療としてオシメルチニブの投与を受けた患者を対象に、後ろ向き多施設共同コホート研究を実施した。2020年6月まで、オシメルチニブに曝露された患者の胸部CT画像データと臨床情報を収集した。主要評価項目は、DRP発症率である。

■18施設から合計452人の患者が評価された。80人(18%)がDRP(全グレード)と診断され、21人(4.6%)がグレード3以上のDRPを有していた。DRPのうちの46%に一過性無症候性肺陰影(transient asymptomatic pulmonary opacity:TAPO)が確認された。CTパターンについては、OP、単純性肺好酸球増加症、HP、DAD、NSIPがそれぞれ30例(38%),21例(26%),18例(23%),9例(11%),2例(3%)にみれらた。

■多変量解析では、喫煙歴はDRPの独立リスク因子として同定された(ハザード比1.72,95%信頼区間1.01-2.89,P=0.046)。3か月のランドマーク解析では、DRPは治療効果の低さと関連していた。しかし、TAPOの存在そのものは治療効果に悪影響を与えなかった。






by otowelt | 2022-06-11 01:18 | 肺癌・その他腫瘍

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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