メタアナリシス:COPD関連肺高血圧症の有病率

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本メタアナリシスの注意点として、BMI、喫煙歴(pack-years)が因子として含まれていないことが挙げられます。

ちなみに、mPAP>25mmHgのPHがあるCOPD患者さんの5年生存率は36%かなり低いです(Chest. 1995;107:1193-8.、Semin Respir Crit Care Med. 2003;24(3):233.)。もともと予後が良い集団ではないため、グループ1のPHと比べると予後が悪いことが特徴です(Chest. 2021;160(2):678.)。


Zhang L, et al. The Incidence and Prevalence of Pulmonary Hypertension in the COPD Population: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis . 2022 Jun 10;17:1365-1379.

  • 概要
■COPD関連の肺高血圧症(PH)は、COPDの最も多い合併症の一つであり、しばしば予後を悪化させる要因となっている。COPD関連PHの推定有病率およびリスク因子は広く報告されているが、これらのデータは統合されていない。本研究では、COPD関連PHの世界的な発生率・有病率を検討し、影響を及ぼす可能性のある因子を探索することを目的とした。

■4つの電子データベース(Web of Science、Embase、Cochrane、MEDLINE)を検索し、2021年7月20日までのCOPD関連PHの有病率に関するすべての観察研究を同定した。検索された研究の適格性スクリーニング、質評価、データ抽出は、2人が独立して行った。COPD集団におけるPHの有病率を明らかにするため、メタアナリシスを行った。異質性の原因を調べるために、ランダム効果メタ回帰モデル分析を行った。

■合計38件の論文がメタアナリシスに含まれた。プールされたCOPD関連PHの有病率は、39.2%(95%信頼区間34.0-44.4、I2= 97.6%)であった。サブグループ解析の結果、PHの有病率はCOPDの重症度とともに増加し、ほとんど(30.2%)が軽症PHで、少数が重症PH(7.2%)だった。さらに、COPD関連PHの有病率には有意な地域差があり(P = 0.000)、アフリカで最も高く(64.0%)、ヨーロッパで最も低い(30.4%)ことが判明した。しかし、平均年齢、性別、登録期間、参加者の設定、PHの診断方法を含む他の因子に関する層別化研究では、有病率に有意差はなかった(P >0.05)。

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図. プール有病率(文献より引用)







by otowelt | 2022-08-03 00:13 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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