クライオバイオプシーの重要な合併症リスク
2022年 06月 29日
日本国内では静脈麻酔などで鎮静をかけてTBLCを行うことが多いと思いますが、海外では機械換気を併用することもあるようですね。
牽引性気管支拡張がみられるPF-ILD、特にHRCTでUIPパターンの場合の処置リスクはそれなりに高そうです。慢性咳嗽を合併している例ではなおさらということになります。
- 概要
■ILD診断法として経気管支肺クライオバイプシー(TBLC)の利用が増加している。本研究は、ILD患者におけるTBLCの臨床的に重要な合併症に関連するリスク因子を評価することを目的とした。
■フィンランドのKuopio大学病院またはTampere大学病院にILDの疑いで紹介された患者を対象とした。100名の患者に対して外来でTBLCが実施された。患者は全身麻酔で機械的に換気された。止血のために気管支バルーンが使用された。出血、気胸、感染症、死亡率などの合併症が記録された。中等度または重度の出血、気胸、90日以内の死亡を臨床的に重要な合併症と定義した。臨床的に重要な合併症を評価するために、多変量モデルを用いた。
■牽引性気管支拡張の程度(オッズ比1.30,95%信頼区間1.03-1.65,p=0.027)、若年(オッズ比7.96,95%信頼区間2.32-27.3,p=0.001) は臨床的に重要な合併症リスクと関連したが、TBLC30日前までのステロイド内服(オッズ比3.65,95%信頼区間CI 0.911-14.6,p=0.068) は統計的に有意とは言えないが関連する傾向にあった。重篤な咳嗽の既往は気胸のリスクと関連していた(オッズ比4.18, 95%信頼区間CI 1.10-16.0, p = 0.036)。90日以内の死亡は1%だった。
by otowelt
| 2022-06-29 00:09
| びまん性肺疾患