シロリムスはLAMにおける気胸再発リスクを減らす

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シロリムスの投与や閉経によって循環LAM細胞が減少するため(Chest. 2014;145(1):108-112.)、結果的に気胸のリスクが下がるというのはよく知られた事実です。



Cheng C et al. Sirolimus reduces the risk of pneumothorax recurrence in patients with lymphangioleiomyomatosis: a historical prospective self-controlled study. Orphanet J Rare Dis . 2022 Jul 8;17(1):257.

■リンパ脈管筋腫症(LAM)患者では、自然気胸の発生率が高く、再発率も高い。LAM患者における気胸の危険因子や気胸に対するシロリムスの効果は不明である。

■本研究では、LAM患者の気胸に関連する因子を検討するために、横断的コホートに多変量ロジスティック回帰を適用した。Kaplan-Meier分析を適用し、シロリムスがLAM患者の気胸再発のリスクを低減させるかどうかを判断した。

■2017年5月10日から2020年8月31日の間に当センターでLAM-CHINAに登録された399名のうち、142名が登録時に気胸の既往を有していた。CTグレードが高く、来院時年齢が35歳以下であることは、LAM患者における気胸のリスクが高いことと関連した。閉経は気胸のリスク低下と相関していた。ヒストリカル前向きコホートにおいて、気胸再発の5年確率は、シロリムス群が対照群より80%低かった(気胸再発のハザード比0.20;95%信頼区間0.14~0.30、P < 0.001)。






by otowelt | 2022-07-25 00:48 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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