肺MAC症の治療失敗・副作用のリスク因子
2022年 07月 20日
ほとんどがRECAMあるいはREAZMのレジメンです。日本よりもクロファジミンの使用は当然多く、全体の15.1%にのぼります。アミカシン使用が7.0%なので、実に2倍の使用率なんですね。50歳未満の患者さんでは、注射剤の投与期間中央値は315.0日と約1年におよんでいます。
- 概要
■肺非結核性抗酸菌症(NTM-PD)の患者数は世界的に急増しており、特に高齢者層で増加している。しかし、高齢化がNTM-PDの治療成績に与える影響に関するエビデンスは乏しい。
■韓国の3次施設で2009年1月から2020年12月までに肺Mycobacterium avium complex(MAC)症の診断基準を満たし、抗菌薬治療を受けた連続した患者を分析した。主要アウトカムは、(1)12か月以上の培養陰性化(長期治療成功)、(2)薬物副反応(ADR)であった。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、年齢と主なアウトカムとの関連を評価した。
■614例(年齢中央値65歳、IQR57-73歳、男性35.3%)が組み入れられた。年齢とともに治療期間中央値(530日、IQR 290-678日、P < 0.001)および長期治療成功率(P= 0.026)は低下したが、ADR(P< 0.001)は有意に増加した。多変量解析により、80歳以上はADR(調整オッズ比3.29;95%信頼区間1.05-10.28)、治療成績悪化(調整オッズ比0.42;95%信頼区間0.19-0.91)に関連する独立因子であることが明らかにされた。
by otowelt
| 2022-07-20 00:00
| 抗酸菌感染症