関節リウマチ関連気管支拡張症のリスク因子


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Bronchiectasis rheumatoid overlap syndrome(Chest. 2017;151(6):1247-1254.)と呼ばれることもありますが、RA特異的な現象というよりは足し算かなあとも思っています。




  • 概要
■ILDのないRA関連気管支拡張症(RA-BR)の調査をおこなった。Mass General Brigham BiobankのRA患者を用い、症例対照研究を実施した。

■2010年のACR/EULARの基準を満たす全RA患者に関して胸部CT画像で検討し、RA-BR症例、RA-ILD症例、いずれも認めないRA患者(対照者)を同定した。各患者について、登録時に最も近い時期に行われた胸部CT画像について、2人の放射線科医が独立して検討した。

■対照者はRAを有し、BRやILDを認めないものとした。多変量ロジスティック回帰を用いて、人口統計学的因子、ライフスタイル因子、血清学的因子とRA-BRの関連を検討した。

■57例の孤立性RA-BRと、RA-ILDのない360例のRA対照を同定した。多変量モデルでは、RA-BRはRA発症時の高年齢(10年あたりオッズ比1.37、95%信頼区間1.02-1.82)、RA診断時の低BMI(1あたりオッズ比0.94、95%信頼区間0.89-0.99)、RA血清陽性者(オッズ比3.96、95%信頼区間1.84-8.53)、リウマチ陰性陽性(オッズ比4.40, 95%信頼区間2.14-9.07)、抗CCP抗体(オッズ比3.47, 95%信頼区間1.65-7.31)がRA-BRと関連していた。RA関連自己抗体の力価が高いほど、RA-BRのオッズは高かった。







by otowelt | 2022-08-01 00:57 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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