MACに対するテジゾリドおよびリネゾリドのin vitro活性
2022年 08月 19日

テジゾリドは、今回のMAC分離株に対してリネゾリドより高いin vitro活性だったという話です。
テジゾリドはリネゾリドよりも半減期が長く、1日1回の投与が可能です。服薬アドヒアランスの観点からも、長期治療に有望な製剤と言えます。
M. abscessusに対しても、テジゾリドが高い感受性と報告されていますね。
■参考記事:抗酸菌症に対するオキサゾリジノン
■本研究の目的は、Mycobacterium avium complex(MAC)株に対するテジゾリドおよびリネゾリドのin vitro活性およびMIC分布をBactec MGIT 960を用いた微量液体希釈法およびmacrodilution法で比較検討することである。
■MACの臨床分離株37株を対象とした。CLSIガイドラインに基づき、MIC64~0.064 mg/Lの範囲で液希釈を行った。macrodilutionはBactec MGIT 960で実施した。リネゾリドの臨床的分類は、CLSIが定義したカットオフポイント(R:>16 mg/L,I:16 mg/L,S:<16 mg/L)を使用した。また、リネゾリドおよびテジゾリドのEAとリネゾリドのCAは、FDA基準に従った。
■リネゾリドのMIC50(16 mg/L)およびMIC90(32 mg/L)は、両手法とも同一だった。しかし、テジゾリドの微量希釈法(4 mg/Lおよび8 mg/L)におけるMIC50およびMIC90は、macrodilution法(2 mg/Lおよび4 mg/L)よりも2倍希釈で1レンジ高くなった。また、テジゾリドMICが≦4 mg/Lおよび≦0.5 mg/Lであった株は、それぞれ94%および2.7%であった。また、リネゾリドのmacrodilution法では、基準法とのCA40.5%だった(マイナーエラー56.7%、メジャーエラー2.7%)。
by otowelt
| 2022-08-19 00:40
| 抗酸菌感染症