気管支拡張症における非結核性抗酸菌症の有病率は約10%
2022年 08月 09日

2006年以降、15年間の気管支拡張症におけるNTMについて調べた研究です。Mycobacterium gordonaeの分離頻度は高いことはすでに分かっていますが、実臨床ではそれが「病原」微生物なのかどうかという問題があります。
- 概要
■2006年から2021年にかけて、非嚢胞性線維症(non-CF)気管支拡張症の成人患者における非結核性抗酸菌(NTM)の世界的な有病率を正確に推定し、臨床患者におけるNTMの比率を明らかにした(システマティックレビューおよびメタアナリシス)。
■Medline、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceを検索し、2006年から2021年に発表された論文を対象とした。全患者が非CF気管支拡張症の成人(18歳以上)である前向き研究または後ろ向き研究を対象とした。
■2014件の研究のうち、24件が組み入れ基準を満たした。このうち14件はランダム化対照試験であった。2006年から2021年までの非CF気管支拡張症の成人におけるNTM症の世界的有病率は約10%と推定され、地理的に大きなばらつきがあることが示された。Mycobacterium avium complexが8割近くを占め、Mycobacterium simiaeおよびMycobacterium gordonaeがこれに続いた。
図. 気管支拡張症におけるNTM症の頻度(文献より引用)
by otowelt
| 2022-08-09 00:16
| 呼吸器その他