線維性間質性肺疾患における慢性肺アスペルギルス症
2022年 08月 15日
間質性肺炎患者539例のうち、肺アスペルギルス症に罹患していたのは15例(2.78%)だったという報告があります(Intern Med. 2014;53(12):1299-306.)。このうち、11例(73.3%)が酸素療法を要していたことから、ILDにCPAを合併すると結構大変というイメージを持っています。
■慢性肺アスペルギルス症(CPA)患者において、間質性肺疾患(ILD)が予後不良の予測因子であることは、過去にいくつかの報告で示されている。しかし、ILDを伴うCPA(CPA-ILD)においては、患者背景や予後因子について明確になっていない点がある。臨床に有用な情報を得るため、これらの点について評価した。
■抗アスペルギルス抗体の血清検査を受けた459例の患者を後ろ向きに調査した。CPA-ILD患者を32例抽出した。患者背景因子としては、高齢(平均74.9歳)、男性(75.0%)、喫煙歴(71.9%)がよくみられた。
■ILDと診断されてからの生存期間中央値は76.0か月、CPA-ILDと診断されてからの生存期間中央値は25.5か月であった。各ILDパターンやIPFの有無による生存期間の有意差は観察されなかった。CRP高値は、Cox回帰分析により死亡の有意な予測因子であった。
by otowelt
| 2022-08-15 00:40
| 感染症全般